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2014年5月31日 (土)

企業を買収するということ

 会社を買うということは、そのなにもかもを買うということである。土地、建物、設備、在庫など物理的に形や重量のあるものだけではなく、制度やシステムなどもあるし、そもそも会社を動かす従業員=人が付いてくる。もっとも、従業員には去る自由もあるわけで、まるまる譲り受けられる保証はない。また、組織には独特の風土というものがあり、その風土も受け継ぐことになる。

 買収するときには、その価値を見積もることになる。土地というものは特別な理由がない限り(地下に有害物質が発見されたとか)価値が棄損されることはない。だから評価を間違えるリスクは小さい。建物や設備はどれだけ利用価値があるかということがその実質であって、それは今後の事業の進展に依存する。在庫も同じように展開次第では二束三文で売りさばくことになる。

 さて、制度、システム、人、風土はどうか。この評価は難しい。いったん潰れた会社であれば価値はゼロということになる。しかし、よく考えると、グループ会社としてまともに動かそうと思うとそれなりに費用のかかるものである。親会社とのギャップは、いわば負の遺産として評価しなければならない。ルールが未整備で、しかも守らない、改善しない風土が根強い場合が多いから危ないのである。

 買収されると、まともな経営者に変わった場合に従業員のモチベーションが上がる可能性もあるが、子会社となることで自立性を失いやる気をなくす恐れもある。ここにもリスクは存在している。

 冒頭で書いたとおり、企業を買うということはいいことも悪いこともひっくるめて買うということであり、いいところだけ選び出して買うわけにはいかないのである。そのことを知ったうえで、買う側の再生能力も合わせて勘案して、評価を行う必要がある。

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