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2014年4月 1日 (火)

Sさんへのメール(企業理念について)

S様

本日、新卒の新入社員を2名迎え入れました。また、中途採用者も本日付で4名入社しました。

私は新人教育の中で、「社史」を受け持っていますが、そのなかで強調するのは経営理念の重要性です。

創業からしばらくは経営がうまく行かず、資金繰りがつまって四苦八苦しておりました。その状況から這い出せたのは、〇〇という時代に合った商材を見つけ進化させたことにありますが、そこにはまず自助努力がありました。

努力が報われたわけですが、しかし、ひるがえって考えてみると、顧客のアドバイスがあったり、仕入先の支援があったり、給料の遅配に耐えてくれた家族があったりと、周囲の人々との関係なくして成功はありえなかったのです。

このような経験を通じて四者共栄という理念が出来上がりました。これは、社会的存在である企業の価値を本質的に言い当てたものだと思います。

これを経営の原点に置く限り、軸はぶれませんし、屋台骨が揺らぐことはありません。

学生もこの理念に共感してくれます。普遍性があるからでしょう。

とはいえ、これを実現することは至難の業です。理念は未来の設計図ではないんですね。あえて言えば、「実践の哲学」なのです。共栄は素晴らしいことですが、実際には共栄することを妨げる構造やメカニズムが社会に存在しています。

それに抗って実践するのですから、経営とはまさに社会変革だと言えます。口先できれいごとをいうのとは次元の違うことです。

このような考え方を、このレベルで共有できている社員はまだ数少ないと思います。まだまだ自分の価値(いかに高く売るか)にのみ関心を持つ、また持たせる風潮が強いせいでしょう。書店に行ってもそういう本で溢れていますよね。

自分を成長させることは大事なことですが、それと企業や社会の発展とを結び付けられないことは、社会の発展を阻害する因子になります。個々人について言えば、幸福への入り口を狭めてしまいます。

私自身もまだまだ力不足ですが、こういうことを訴えていきたいと思います。もしご意見があれば伺わせてください。

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