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2014年1月28日 (火)

マルハニチロ農薬混入事件に思う

 農薬を意図的に混入した疑いで逮捕されたのは契約社員であった。生産ラインに入っていた労働者の多くは契約社員であったから、この結果は想像できた。

 報道によれば、この契約社員の年収は2百万円ほどだったという。これまでに目にした統計では非正規社員の年収は正規社員の4割から5割程度であった。これは平均なので、正規社員の待遇がいい企業だともっと差が広がることになる。

 賃金の差にふさわしい労働の質の違いがあればまだ納得もしようが、実際はそれほど違いのない場合が多い。自ずと不満が溜まっていく。とはいえ、農薬を混入させるような行動をとる者は滅多にいるものではない。大半が我慢をして働いているのである。正社員の口はなかなか見つからないから辞めるわけにはいかないのである。

 しかし、放置はできない。この格差は少しずつであれ改善されなければならない。改善されれば少しは自分たちのことを気にしていると思うだろう。ところがマルハニチロの場合は賃金を絞ったらしい。それでは沈潜していた不満が表に出てきても不思議はない。

 リスク管理という視点で、いかに毒物等を持ち込ませないか。監視カメラを増設したり、ライン間の移動を禁止したり、ボディチェックを強化したりなどの方策が提起されているが、リスクを減らすためにはもっと別のことを考えなくてはならない。それは職場の人間関係を良くすることである。お互いに関心を持つようになれば、異常な行動は抑止されるだろう。もう一つは、先ほど言った待遇の改善である。

 同じ類の事件が続発するとは思わないが、忘れたころにまた起こることは十分に考えられる。企業の力が問われる問題である。

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