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2013年12月 1日 (日)

社外取締役を義務化する必要はあるか

 

社外取締役、2年後に義務化再検討 今国会提出へ

 2013/11/23 1:25  日本経済新聞

 企業統治の強化を盛り込んだ会社法改正案が今国会に提出される。自民党法務部会が22日に了承し、29日に閣議決定する予定となった。親会社の株主が子会社の経営陣の責任を直接問える多重代表訴訟制度の創設や、監視機能を高める「監査等委員会設置会社」制度の新設が柱。焦点だった社外取締役の設置義務付けについては、改正法の施行から2年後に再検討することになった。12月6日までの今国会中の成立は難しく、政府は来年1月召集の通常国会での成立を目指す。

 昨年9月の改正要綱では、上場企業などへの社外取締役の設置義務付けを見送った。その後の自民党内の議論を踏まえ、今回の法案の付則には法施行から2年後に再検討し、必要なときは「社外取締役を置くことの義務付けなど所要の措置を講ずる」と明記する。上場企業が社外取締役を置いていない場合は「定時株主総会において理由を説明しなければならない」という条文も加えた。社外取締役が過半数を占める「監査等委員会」を選べる制度の導入なども盛り込んだ。企業が一般的に導入している監査役会に代わって、経営監視を強める。
 
 
 会社法は企業の設立、再編などの基本ルールを定めた法律で、2006年に施行した。初の改正作業では、オリンパスの巨額損失隠し事件などを背景に、企業統治の強化策に注目が集まった。
 政府は6月に閣議決定した「日本再興戦略」で「会社法を改正し、外部の視点から監督できる社外取締役の導入を促進する」としていた。

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 11月25日の日本経済新聞朝刊で、「コーポレートガバナンスの新潮流」というタイトルでパネルディスカッションの内容が記事となっていた。

 
 ポイントは二つあって、一つは社外取締役の役割、必要性の問題。もう一つは社外取締役設置の義務化である。前者については、一般的にその役割を認めるところである。多様な見方、意見を取り入れることには大いに意味がある。しかし、それが後者の「義務化」まで進むのはいかがなものか。日本CFO協会理事長の藤田氏は、「義務化されると形式のみで本来の趣旨を生かせなくなる恐れがある。」と述べている。これには全く同感である。
 

 義務化されると、目的の議論が先送りされて、とりあえず形だけでも置いておくかとなる。そもそもガバナンスなど重要視していない経営者であれば、自分の言うことを聴く人間を社外取締役として連れてくるだろう。形式的に条件を満たしていれば、とりあえず違法ではないのだ。自分の考えを通そうとする独善的な経営者であれば、とりあえず無能な取締役でも構わないのだ。
 

 一方で、経営理念をしっかり持ち、役員のみならず社員の声も聴きながら民主的経営に努める経営者もある。そういう会社では、かならずにも社外の取締役を必要としないだろう。決して自分たちだけの利益を追求することなく、社会の利益を求める企業であれば、自ずと株主にも誠実に向き合っているのであり、信頼に足る。しかし、そういう会社であっても、議論のなかで社外の声を求めようという方向性が出てくるかもしれない。であれば、そういう選択をすればよいのであって、それは「義務化」というような次元の問題ではない。
 

 見かけをつくろうのは、海外からの投資を伸びこんで商いを広げたい取引所の思惑としか思えない。
 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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