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2013年8月10日 (土)

ねじれ解消で案じられる、アベノミクスと国民生活との「ねじれ」

 参院選で自民党が圧勝し、衆参のねじれが解消された。この結果を、好意的に報道するマスコミが大半であるように見える。ねじれていると衆院で決めたことが参院で否決され差し戻しになる。そういうことでは時間がかかりすぎ、国政が前に動かないという捉え方がされてきた。

 確かに安倍政権の政権運営は一つの障害を乗り越えたと言えるだろう。安倍首相の考えていることが前に進み始めるだろう。

 経済面ではどうか。アベノミクスはどうなるのか。為替や株価についてはすでに動いており、今後はアメリカの金融政策や経済実態、また新興国の経済成長の具合によって上下するのではないか。安倍政権が主導できるわけではないだろう。「デフレ」からの脱却を金融政策と財政出動に大きく依存してしまうと財政への信任をなくす結果となる。それが経済全体への波及効果を持てなかったらマイナスの効果を生んでしまう。

 そこで、次の矢である「民間投資を喚起する成長戦略」が重要になる。この中身は、基本的には「規制緩和」であると思う。規制緩和と言えば、橋本内閣と小泉内閣が進めた政策である。この結果、雇用形態が大きく変化し、低所得の勤労者が増加して格差が増大した。これをデフレの結果だと捉える人もおれば、デフレの原因であるという人もいる。また、そもそもデフレなど起こってはおらず、物価の下落はわずかなもので、ただ所得が大きく下がっただけであるという主張もある。

 このままでは、TPP交渉が進んでいく。労働法制においても解雇の自由化が進む恐れがある。日本が再び成長を始めるには、成長産業にとって有利な貿易環境や資本が自由に移動できる環境を作る必要があるし、成長できる産業に労働者が移動しやすい条件を作る必要があるということである。

 しかし、実際はどういう結果を招くのだろうか。経済指標などの報道を見てみると若干消費が活発化したようだが、それは株高による富裕層の消費であったり、夏の賞与の増加による大手企業の労働者による消費に依存しているのではないか。まだまだそれは一部の現象だと思われる。タクシーの運転手に聞いてみると売り上げは以前と全く変わらないと言っている。

 多くの国民にとっては恩恵のない政策が進むだろう。逆にますます苦しくなる。女性の活用が有用だと言われており、それ自体悪いことではないが、正社員と同じ、あるいは男性と同じ給与を前提としているわけではなく、低賃金労働者としての期待が含まれているように思われる。

 所得の減少と社会福祉の後退が進むだろう。アベノミクスと国民の利益との「ねじれ」が生じる。これが実態ではなかろうか。それなのになぜ自民党はこれだけ多くの議席を獲得したか。円安、株高の演出に一部の国民が幻想を抱いた。確かにその演出はうまく、マスコミも好意的に報じたという事がある。民主党への失望がそれを助長したとも言える

 経済政策について触れたが、次は純粋に政治的な問題が残されている。改憲問題である。今日はここで終えるが、この問題も国民との間で「ねじれ」がある。誰も戦争をしたいとは思っていない。平和を希求しているのである。

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