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2013年8月18日 (日)

立ち読み 新潟少女監禁事件

 9年間以上もの長い期間、監禁され続けた少女ことを覚えているだろうか。

 休日にいつものように大手の書店を訪れ、この日は文庫本のコーナーを奥から順に見ていた。しばらくすると朝日文庫の書架に至る。朝日文庫は点数としては多い方ではないが、なかにはいい本がある。
 順番にタイトルを見ていた時に目に留まったのは、「新潟少女監禁事件」であった。ああ、あの長い間男の家に監禁されていた異常な事件の事かと思いだした。手に取ってざっと目を通してみると、事件は新潟県三条市で1990年に発生し、加害者は当時28歳であり、被害者の少女は小学校4年生だった。

 立ち読みして感じた点をいくつか。

 ①加害者は1年半前に、柏崎市で別の小学生の女子にわいせつ行為を働き逮捕され、執行猶予つきの有罪判決を受けている。この情報が後の事件に活かされていたら、早期の解決が可能であっただろう。自宅に監禁していたわけだから、捜査に入ればすぐに発見できたと思われる。
 ②加害者は母親と同居してたが、その母親が監禁の事実を全く知らないというのは不思議である。しかし、本によると実際に知らなかったようだ。息子との関係が悪く、暴力も受けていたとされることから、近づけなかったのだろう。こういう状態がこれほど長く続くことは極めて異常なことである。
 ③加害者は育てられ方に問題があり、社会への適応力を欠き、いわゆる引きこもり状態だった。この事件の数年前に起こった宮崎勤事件との類似性を感じるが、よく調べていないので軽々に論じるのはやめておく。

 ところで柏崎といえば、蓮池さんの拉致事件を思い出すが、それとこの事件とは何の関係もない。ただ、実際に柏崎を知らない人間にしてみれば暗いイメージとしてつながってしまう。きわめて異常な事件であるが、住民同士がお互いに関心を持たない、持てない状況が深まれば、どんな人間が何をして暮らしているか捕捉できなくなり、同様の事件を発生させる可能性を広げることになるだろう。

 最後に、不衛生で、栄養が極度に不足する状態でよく生きながらえたものだと思う。普通に考えれば、なんらかの疾病により早々に死に至っただろう。少女が希望を捨てなかったからに違いない。

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