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2013年2月 9日 (土)

耳触りのよい言葉 本気でやる気ありますか?

 安倍首相が行った所信表明演説の全文を読んでみた。1月29日の朝刊に掲載されている。

 1、はじめに

 「・・・私の決意の源は、深き憂国の念にあります。危機的な状況にある我が国の現状を正していくために、なさなければならない使命があると信じているからです。」
 ⇒ 危機的な状況はいかにして生まれたか。戦後の大半の時期において、自民党が政権を担ってきたのではなかったか。だから、この状況は自民党に責任があるという主張にはかなりの説得力がある。もっとも、自民党を選んだのは国民ではないかという反論は予想されるが。

 「額に汗して働けば必ず報われ、未来に夢と希望を抱くことができる、まっとうな社会を築いていこうではありませんか。」
 ⇒ 働けど報われず、夢と希望を奪い去ったものは何であったか。その発端はどこにあったのか。ごまかさず、明らかにしなければ再生などできはしない。

 2、経済再生

 
 「全ての人々が生きがいを感じ、何度でもチャンスを与えられる社会」
 ⇒ これも同じだ。現実はこれとはあまりにかけ離れている。リストラされれば再雇用は難しい。非正規雇用者と流れていく。就活に失敗した若者に与えられるチャンスは極めて乏しい。過去の政権はこの現象にストップをかけることができなかった。過去の政権には第一次安倍政権も含まれる。

、「中小企業・小規模事業者が躍動し、農山漁村の豊かな資源が成長の糧となる地域の魅力があふれる社会」
 ⇒ なんと耳触りのよい言葉だろうか。これを実現させるには、これまでの保守政治を大転換させなければならない。しかし安倍政権の大目的は、保守体制の再構築である。不利益を得る層に対しても、真意を覆い隠すために言葉を弄する必要があるのである。

 3、震災復興

 特に言うことなし。この通り、やっていただきたい。

 4、外交・安保

 「・・・自由、民主主義、基本的人権、法の支配といった、基本的価値に立脚し・・・」
 ⇒ 民主主義を重んじるならば、勤労者の生活を重視しなければならない。民意を反映しない選挙制度を見直さなければならない。基本的人権を大事にするなら戦争などできないことだ。日米同盟の強化、軍備の増強は人権を抑圧する。

 5、おわりに

 「我が国が直面する最大の危機は、日本人が自信を失ってしまったことにあります。」
 ⇒ しばらくの間、日本はアメリカに次ぐ経済大国であった。しかし、量的にいつまでも世界2位であり続けることは不可能だ。遅れていた国も必死で成長しようとする。それはよいよい生活を求める生のエネルギーである。単に量的な尺度だけではない、こうありたいと願う意志を持たなければならない。通り一遍のヴィジョンしか提示できなかった過去の政府に問題があった。

 「『強い日本』を創るのは、他の誰でもありません。私たち自身です。」
 ⇒ 「強い日本」、ここに安倍さんの思想が表れている。「強い」とはどういうことか。表向きは経済に力点があるが、実は、政治的、軍事的な優位性が頭にあるのではないだろうか。「豊か」という表現がほしかった。

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