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2013年2月10日 (日)

富の創出か 単なる移転か? アベノミクスの本質

 安倍政権は、「縮小均衡の分配政策」から「成長と富の創出の好循環」への転換をうたっている。言葉は大変よろしい。否定はしない。

 富の創出とはどういうことか。その前に富とは。富とは、勤労者の労働によって生み出された成果物であろう。労働を離れて富は生まれない。労働者の能力の向上、生産する機械の発展、流通・交易の発展などによって富は大きくなる。また、研究者の知的活動の成果もここに加わるだろう。

 単に株価や為替の変動によって即実体経済が変わるのではないだろう。実体を伴なわないところでの変化は、富の増大ではなく、移転にすぎないのではないか。勤労者の成果物が、(これは過去と未来の成果も含むが)かすめ取られていく過程ではないか。円安は輸出企業の利益を増やすが、それが勤労者の所得上昇を生まなければ、輸入品の価格が上昇するという負の側面だけが生まれ、生活は苦しくなる。

 はっきりと目に見える成果は、雇用の創出と賃金の上昇である。このことをもって富の増加が成し遂げられたとはっきり言える。経済学には全くの素人である私であるが、世の中を見ているとそういうことが分かってくる。私たちの生活からかけ離れたところで起こっている現象には興味が湧かないかもしれないが、そういう現象に伴って富は動いているのである。持たない者に、富は回ってこない。

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