« 桜宮高校のバスケ部とバレー部の活動を停止??? 大阪市教委 | トップページ | ユートピアとは »

2013年1月17日 (木)

桑田真澄さんの記事から考えたこと Kさんへの回答として

 ある雑誌で桑田さんのインタビュー記事を読みました。その中に、こういうくだりがありました。

 「僕の実力じゃ、とてもPL学園ではレギュラーにはなれない」と諦めかけたとき、母親から「何か方法があるはずだから考えなさい」と言われて思いついたんです。まずは、トイレ掃除をしました。寮の便器を毎朝1個ずつピカピカにする。玄関の靴を揃え、廊下のゴミを拾い、挨拶と返事をきちんとする。そういった行いを続けました。周りからは「アホかぁ、おまえ」と言われましたが、「ええねん。俺はやりたいからやんねん」とかまわず続けました。
 そうしたら、3か月後、運が回ってきたんです。一度ピッチャー資格の烙印を押されていた僕に、監督が突然「投げろ」とチャンスをくれた。それだけでも驚いたのに、実際に試合が始まると、打たれても打球がぜんぶ野手の正面に行くんです。結果はシャットアウト。みんなビックリしていましたが、一番ビックリしたのは僕でした。

 私はとても面白いと思い、このくだりを含む記事を部下のK君に読んでもらいました。そうすると、「科学的には説明がつかないこともあるのだと思いました。」のと返事がきました。そこで私は以下の文章を贈ったのです。

 掃除を続けたこととその後の彼の成長にはある程度の説明が可能だと思います。彼には元々素質はあったはずです。あの運動神経や筋力は誰にでも身に付くものではありません。しかし、その素質を活かす方法を知らなかったのでしょう。
 掃除をすることで、自分の体に規律が生まれ、心も整理されて、体と心のバランスがとれるようになったのでしょう。自分の心で、自分の体をコントロールできるようになったので、乱れの少ない投球ができるようになったのだと思います。
 打球が野手の正面を突いたのは、運ではなくて、質の高い投球ができたからです。投手の方がレベルが高いと、統計的に打球が集まる位置(野手の守備位置)に飛んでいくのだと思います。打者のレベルが高いと、イチローなどがそうですが、野手の間を抜けたり、間に落ちたりします。晩年の長嶋の打球は野手の正面を突くことが多かったですね。だからゲッツーも多かった。
 掃除をする、しかも長く続ける。いやになりかけても辛抱して続ける。これは精神論ではなく、人間の精神の体系(物理的には脳の働き)に変化を与えるのだと思います。掃除という行為は、人づくりなのでしょう。

 沖縄興南高校の我喜屋監督は、選手にます掃除をさせました。そのことで生活の乱れがなくなりました。決まった時間に寝るようになり、寮の食事も残さず食べるようになりました。そして、野球も上手くなりました。我喜屋さんは、身の回りをきれにできない子は、野球が上手にならないと言い切っています。彼の信念です。
 また、駅伝で有名な西脇工業の監督だった渡辺先生は、あいさつを重視しました。また授業をしっかり受けるよう指導しました。それができない子は駅伝でも強くならないという信念を持っていました。彼らの信念は、単なる思い込みではないと思います。まずは経験から仮説が生まれ、その実践によってそれが証明された。結果、信念として確立されたのだと思います。

 人間は一個の動物でありますが、私は一つの「システム」だと思います。あるいはそれぞれ独自のプログラムを持っていると考えられる。そのプログラムは親からの遺伝や教育や生活環境などによって作られる。そしていったんそれで動き出すと、なかなか書き換えることは難しい。
 同じことを繰り返していまう。同じレベルで生きてしまう。それを変えるには、新しい行動が必要です。掃除やあいさつは非常に有効な行動であると思います。やろうと決意すればできるし、周りから見られる。辛抱して続ければ、周りからの見方が変わる。そうすると自分とまわりとの関係性に変化が生まれる。この関係性がプログラムを書き換える力として働くのだと思います。私たちのやろうとしている、風土改革はプログラム書き換え運動なんですね。

« 桜宮高校のバスケ部とバレー部の活動を停止??? 大阪市教委 | トップページ | ユートピアとは »

コメント

コメントを書く

コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。

(ウェブ上には掲載しません)

« 桜宮高校のバスケ部とバレー部の活動を停止??? 大阪市教委 | トップページ | ユートピアとは »