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2012年6月22日 (金)

「三方一両損」と「三方よし」

 落語の演目にある話である。江戸に住む左官が3両入った財布を拾う。持ち主の大工に届けると、受け取らない。互いにお前のものだと言い張る。大家さんが仲裁に入るが、まとまらず町奉行に届けて裁いてもらうことにする。奉行は、1両足して2両ずつ二人に受け取らせる。それぞれが1両損をして丸く収めたのだが、これを三方一両損という。日本らしい調停の方法である。西欧では、あるいは現代の日本では、それぞれが権利を主張して、ぶつかり合う利害の調整に苦労するのが普通である。

 近江商人の家訓に、「三方よし」という言葉がある。売り手よし、買い手よし、世間よしである。私の会社も、この言葉を経営の理念として援用している。三方損も、ある意味、三方よしと理解できないことはないが、経営の世界ではそれはあってはならないことである。

 問題は、3両という固定した富の配分になっていることであり、行政による調停の範囲にとどまっている。これに対し、経営は3両を4両にも5両にも増やすことができる。そこに三方よしの基盤ができる。富の増大があってはじめて三方よしが実現できるのである。パイが縮小すれば、どこかにひずみが出る。平等であっても、皆我慢しなければならない。

 どうやって価値を拡大するのか。それが経営の課題である。

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