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2012年3月20日 (火)

今久保教授 京都大学での最終講義(2012.03.17)

 3月17日の土曜日に、知人から来ないかと誘われて京都大学の講義を聴きに行ってきた。経済学の今久保教授の京大における最終講義であった。

 京都駅まで新快速で行き、そこから市バスに乗って京大正門前で降りる。バス停から正門までは思ったより距離がある。時計台記念館の後ろにある教室に開始時間ぎりぎりに到着した。受付を済ませて入ると、ちょうど講義が始まったところであった。

 テーマは「ベルサイユ体制下の独仏経済関係とドイツ通商政策―現代EU経済・日本経済把握への意義」であった。私は経済学をほとんど学んでいないが、経済政策論であれば少しは分かる。

 ここにレジュメや資料を書き写しても仕方ないので、私が重要だと思ったポイントだけまとめておこう。 

 ・二度にわたる大戦での敗戦で、賠償金をとられ、占領地において収奪を受け、不利な条約を呑まされたが、試練に耐えて復活してきた。
 ・ドイツにはF.リストによって理想として表わされた膨張主義があり、それが復活の力となっているが、それはEUにおいて中心的な地位を占めるに至った今日においてもなお温存されている。
 ・ナチスドイツの政策は特異な面はあるが、その前後との共通性が強い。
 ・フランスとの和解で転換を遂げたかのように見えるが、実はそうではなかろう。EUのドイツ化を進めるとともに、EU以外の東方地域に向けた膨張志向が消えることはないのではないか。
 ・ドイツの通商政策は戦略的である。たとえば、輸出相手国を見ると、金額ベースで分散化が図られており、環境変化や有事に備えたリスク分散が志向されている。それに比べると日本は、米国あるいは中国への集中が顕著である。

 以上だが、最後に今久保先生が述べられた「現代日本経済把握への意義」について触れておきたい。自身の主張として、「水平的・非覇権的で、分業を固定しない共存共栄型国際経済関係を模索すべきである。」と言われた。その時、石橋湛山の小日本主義を上げ、主張の共通性に触れておられた。理念・理想としては私も共有する部分が大きい。
 しかし、その追求は現実の生々しい社会のなかで行われるのであり、特に政治的な障害を乗り超えなければ実現できないものである。貿易の相手国にしても、敗戦後の日米関係に制約を受けている条件を抜きにして評価できない。その点については触れられなかった。

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