« 元気なし中年 | トップページ | 組織作りとは「人作り」であり「風土作り」である »

2012年2月18日 (土)

『“恋愛しない”若者たち 大丈夫?ニッポンの未来』

 先週のことですが、NHKの番組で、ある討論が行われていました。始めから最後まで見たわけではありませんので断片的な感想になりますが、思った事を書き留めておきます。
 

 テーマは、恋愛する、結婚する若者が減っていて、このままで日本は大丈夫かというものです。討論に参加していたのは、学者、コンサルタント、評論家、タレント、落語家です。それぞれ意見としては、これはとんでもないと思うような突飛なものは少なかったのですが、それがどの問題への回答になっているのかよく分からず、聞いていても頭の中が整理できませんでした。

 単に面白おかしく見せるだけなら好き勝手に発言させればいいのですが、見ている人にも一緒に考えてもらおう、あるいは見終わった後に「なにかしらの」考えを持ってもらおうとするなら論点を絞らなければなりません。

 問題はテーマそのものではなく、その背景にある社会的な問題でした。番組でも、若者の収入が中高年に比べて著しく低い現実や金融資産の大半が中高年層で保有されている実態が示されていました。突き詰めれば、若者の雇用創出、賃金引き上げ、出産・育児支援などの政策問題に行きつきます。それは当然、中高年の雇用や賃金あるいは年金や税の問題とかかわってきます。さらには個人だけではなく、企業がそのことに果たす役割や責任の問題にも関わる。極めて政治的な問題です。
 本来、そういう図式・構造が示されて、最適解を模索する必要があるのですが、さすがに時間の制限がある一番組では難しいでしょう。国会ですらできないのですから。とはいえ、どこかに前提条件を置き、問題を絞らないとばらばらの議論になります。

 そういう社会的な観点ではなく、一人ひとりがどう生きるべきかについて、それぞれのメンバーが個人的なメッセージを送るのであれば、それはそれで意味のあることですし、聞いていても面白いでしょう。年功序列が崩れ、能力があればそれが報酬につながる社会になったのだから諦めないで頑張れとか、一人の収入で二人が生活するのは難しいが、共稼ぎならなんとかなるよとか、そういう激励はあってもいいのです。確かに、諦めてはいけないのですから。

 そのことと社会問題の解決とは違います。雇用の現状は、結婚しにくい客観的な条件となっています。また国によって将来像が示されないから決断がしにくいと思います。これが現実です。どんな制度を作るか、税の配分はどうするか、主権者としても判断しなければならないのです。そして、その判断のおおもとには、どんな国家を欲するかという大きなテーマが横たわっていると私は思うのです。

 主張の根底には、根本的な価値観が前提されています。「人間には能力の差があり、努力の大きさも人によって違う。だから所得に格差があって当然だし、それこそ公平性なのだ。」という思想を持っている人がいます。一方で、「人間にはもともと大きな差はない。社会の仕組みによって結果の差が大きくなってしまうのであって、仕組みの不公平をただす必要がある。」と考える人がいます。この二人の議論は平行線をたどるでしょうね。

« 元気なし中年 | トップページ | 組織作りとは「人作り」であり「風土作り」である »

コメント

コメントを書く

コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。

(ウェブ上には掲載しません)

« 元気なし中年 | トップページ | 組織作りとは「人作り」であり「風土作り」である »