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2012年2月11日 (土)

人の5倍売る技術

 ある雑誌の書評でこのタイトルの本を知りました。山形新幹線で「ワゴン販売」する女性の話ですが、この女性は一日で最高50万円売り上げた実績があります。これは平均的な販売員の約5倍の金額にあたるそうです。またコンビニの一日の売上高に匹敵します。大道芸人のギリヤーク尼崎さんのおひねりの記録が一日74万円ですから、体一つで稼げる金額はおおよそこの程度だと言うことでしょうか。ちなみに、ギリヤークさんの場合は元手がほとんどかかっていないので丸儲けです。(税金は納めているとのことですが・・・)

 車内での売り上げを増やすために様々な工夫がされています。ただ「いかがですかー」と売って歩いているのではないのです。まずは事前の品揃えです。毎日同じものをワゴンに載せているのではなかった。今日の売れ筋を読んでいるのです。乗車率や客層やシーズンやその日の気候などを判断の要素にして積み込むのです。下準備から勝負が始まっていました。

 ワゴンへの商品の積み方は、乗車したあとも変化します。最初の設定が間違っていたと判断したらすぐに並び変えます。たとえば、社員旅行の団体客が多いと、お菓子をおつまみに、コーヒーをアルコールに差し替えます。また時間帯を考慮して、昼はお弁当を厚く、夕方はお土産やおつまみを多くする。車両ごとに積み方を変える場合もあるそうです。

 「読み」と「観察力」。やっていることの理屈は難しいことではありませんが、それを現場で機敏に行うことは容易ではありません。この女性は大変優秀だと思います。ただし、だからといって他の仕事でも同じように群を抜いた成績を収めるかと言えば、それはないと思います。もっと緻密で複雑な仕事だったら「読み」が生きないかもしれない。彼女の「読み」と「観察力」は車内販売という接客サービス業に適合したレベルのものだと思うのです。言いかえれば、そういう仕事が好きだからこそ生まれる知恵なのではないでしょうか。お客様に喜んでもらおうという職業倫理が裏にあると思います。

 ここまでやれば結果は出ますよね。しかし、やれる人は少ない。一日7万円売れたらいいやと思っていたら、7万円で止まってしまいます。努力をやめてしまうわけです。売れるだけ売ろうと必死になる。その結果、50万円売れていたのです。

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