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2012年1月 1日 (日)

新年あけましておめでとうございます

 心から新年をお祝いしたい。一部の企業には、地震と原発事故の被災者に気づかって、祝いの言葉を自粛する向きもありましたが、明るい年にしたいという思いを被災した人たちと共有したいと思います。

 被災者に必要なのは、励ましの言葉や気づかいよりも、今は物理的な支援でしょう。仮設住宅では寒さがこたえるに違いありません。生活資金が不足する人も多いでしょう。もともと蓄えが十分でなかった人もいます。予算に計上した資金が早く隅々に行きわたることを願いたいです。

 震災以外にも問題は多く存在しています。財政の問題は、先に欧州に危機をもたらしましたが、日本にとっても重たい問題です。商品の価格低下、原料高、円高、製造業の海外移転、年金問題、消費税問題、若者の失業、沖縄の基地問題、北朝鮮の政情、TPPへの参加、などなど。一気にかたづくことはありませんが、はっきりとした指針を持って取り組まなければ、一時しのぎで根本的な解決には至りません。

 アメリカでオバマ政権が誕生し、日本では民主党政権が発足しました。当初、彼らから語られた政策を国民は期待をもって受け止めました。発する側にも、単なる選挙に勝利するための看板にとどまらない強い志があったはずです。ところが、彼らがやろうとしたことができているのはごく一部で、社会の進む軌道の修正は微弱に終わっています。

 これはなぜでしょうか。ひとつには、弁護するわけではありませんが、既存のシステムおよび対抗勢力の強固さがあります。既得権を守ろうとする力は恐ろしく強いのです。それを押しのけるには、政権に強い基盤が必要です。大衆は選挙で投票はしますが、その後は何をしてくれるのか見ているだけです。大きな政策の変更には、院外の支援が欠かせません。この組織化の弱さが、結果としてマニフェストの放棄を生み出しているのではないでしょうか。
 もうひとつは、アメリカは分かりませんが、日本の民主党は一枚岩でなく、労働組合系や旧自民党系や松下政経塾出身者などなどの寄せ集めであって、一体どこに基盤となる一致点があるのかよく分かりません。

 オバマは、極度の競争社会のもと下層に沈澱した不満・不安が社会の不安定化を招かぬよう、公的な医療制度の創設などを目指しました。また、高額所得者の課税率を引き上げて再分配を強化しようとしました。これは体力を失いつつあるアメリカ社会に再生のための栄養を補給しようとするものでした。しかし、既得権を手放したくないもの、自分の成功は自分だけの力によると信じている者の抵抗にあって上手く進んでいません。彼らは少数であっても強大な政治力、発言力を有しています。多数が気持ちの上でいくら改革を望んでも、そのような物理的力にかなわないのです。

 政治にルールが必要なのは言うまでもありませんが、経済にもルールが必要です。ルールは、ある立場の人から見ると、「制約」と受け取れます。制約をすべて取っ払ったところに自由があると思うのは間違いです。それは自分にとって有利な条件を作り出そうとする、特定の立場の表明にすぎません。

 どうやってルールを作るか、制度を構築するか。世界的な危機を回避するためには国際的な経済ルールが必要ですし、日本の将来を考えれば、医療や年金の制度、税制、雇用の在り方などが重要課題です。繰り返します、投票して終わりでは済まないのです。選ばれた政治家だけでは現に進まなくなっているのですから。

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