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2011年12月28日 (水)

S商店のSさんのこと

 S商店は、私が入社する前から、私の会社の代理店だった。Sさんは先祖代々受け継いだものであろう土地をたくさん持っており、小さいけれどもビルも建ててテナント収入もあった。

 Sさんは剣道の実力者で、性格は真っすぐな人だった。やくざにも物おじせず、退治した武勇伝を嬉しそうに話していた。代理店ではあったが、売り上げは伸びず、別の代理店を置いたのだが、それが気に入らず、文句ばかり言っていた。「騙された」が口癖で、それを毎回聞くのも辛かった。こちらとしては騙しているつもりもなく、優遇していたのだが、結局は商才がなかったのだと思う。

 別の地域のK商店も同じような商売をしていたが、こちらは売り上げを増やしていった。人が嫌がる屠殺場の清掃などもやって稼いでいた。貪欲であり、お金を貯め、家も建てた。Sさんの方は財産家だったから、大きな家もあり、それほど欲がなく、いざとなったら土地を切り売りすればいいと思っていたのではないか。現に、財産は少しずつ手放さざるをえなくなった。

 代理店にもいろいろある。私の会社の製品だけを扱うのではないが、私の会社とともに順調に成長し、今では上手く二代目に引き継いでいる会社がある。一方で、昔とほとんど変わらぬ規模の商店のままである場合もある。こういう店は逆によく続いているなと思ってしまう。

 S商店のSさんはすでに亡くなっている。当社との取引は何年も前に無くなった。今思えば、商売など似合わない人であった。

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