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2011年11月13日 (日)

世界はどうなるのか(富のシェア変動)

 世界はどうなってしまうのだろうかと考えることがある。世界の経済は全体を見れば、毎年成長を続けている。ただし国家の単位でみると、シェアの変動があるし、マイナス成長もありうる。この先人口がますます増加していくのだが、それに経済成長は追いついていくのだろうか。

 今は、中国、ブラジル、インドなどの大きな国が先進国に追いつけ追い越せとばかりに成長を続けている。世界の成長を引っ張っているのはこれらの国々である。先進国の労働者はこのあおりを食って苦境に追いやられているし、底辺の国々は未だ成長段階に入れずにいる。
 このような動きの中で、経済バランスが変化し、均衡を失う恐れがある。

 農業分野で考えると、環境問題の顕在化も相俟って人口増加に見合った増産が可能かどうか不安である。よく言われるように、途上国の人たちが肉類を食べ始めると穀物が飼料として使われるため、より多くの穀物生産が必要になる。そうすると購買力の弱い地域には回らなくなるのではないか。お金を持たない国の人々は飢え続け、そのことが不安定な政治を生み、内紛の要因になる。

 工業分野では、途上国には家電製品や自動車や住宅の需要がまだ多く潜在しており、これがけん引力になっている。輸出や海外生産を競う企業にとってはここが狙い目だ。しかし、これもいったん落ち着けば次の膨張を生む材料にはならない。
 日本のような先進国では、ソーラー発電や燃料電池、電気自動車などのエコ関連かアイホーンなどのIT関連ぐらいしか成長分野が見つからない。高齢化にともなう介護などの分野は、命という財産を守りはするが、いわゆる富を生み出すものではなく、あまり「儲からない」分野である。それでも老後に備えて蓄えた個人資産をねらって、外国人労働者を使って人件費を抑え利益を上げてやろうと考える企業の草刈り場になる可能性がある。

 先進国では財政破綻が起こりつつある。経済成長が止まって収入が増えないのに、国を維持する費用は増え続ける。社会保障費を減額したり、間接税を増やす政策が全般的な傾向である。国民の不満は増す方向にあるし、先進国においても様々な矛盾が噴き出しつつあることから、結果として国内だけではなく、国際的な緊張を生む要因にもなるだろう。
 

 今後いくらかでも希望が持てるのは、①途上国の資本②そのおこぼれを頂戴できる途上国の一部の労働者③世界中を自由に動き回れる多国籍企業の三者ではないだろうか。残念ながら、先進国の大半の労働者にとっては厳しい状況だ。ここから少しでも形勢を変えられるとしたら、予算の編成や税制などの制度変更で、パイを労働者側にシフトすることだろう。

 国の成長の原動力は国民の労働である。中国人の仕事に対する姿勢が問題になることはあるが、とにもかくにもよく働いているから成長しているという事実には変わりなかろう。中間層が増えていることも歓迎できる。しかし、日本にも増して急速に衰退過程に入る可能性もある。折角形成された中間層が早くに解体すれば政治的安定はすぐさま崩れ去るだろう。

 逆に日本の労働者もまだ諦めてはいけない。失業者や隠れ失業者を活かす道がある。もっと労働者の潜在能力を見いだし、伸ばし、使う道もあるだろう。大事なことは、日本の労働者が自らそれを欲することである。敗北感に沈んでいたら、この先何もいいことはない。

 次に必要なのは、自分たちを応援する政府を樹立することである。

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