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2011年11月24日 (木)

ステキな金縛り

 三谷幸喜の新作である。典型的な娯楽作品であり、そう思ってみればそれなりの映画である。幽霊が出てきて、それがごく一部の人に見えるという設定で、それをおかしさに結び付けている。そういう意味では既存の一つのパターンに落とし込んだ作品である。

 筋に触れるのはやめておいて、専ら役者評をしたい。西田敏行はキャラクターで演技する人で、芝居は上手くない。それでも面白いのは天性のものである。深津絵里は、いつも思うのだが何の変哲もない女優さんで、幕が開いた時には普通の演技に思えるが、見ているうちにだんだん、だんだん良くなっていき、深津が演じている女性を好きになってしまう。

 中井貴一は、姿勢がよくセリフがしっかりしていて、上手いし安定感がある。最近あまり見なかった役者だが、画家役で山本亘がいい演技をしていた。山本三兄弟で有名だが、三人とも今なお活躍している。

 三谷作品の、あるいは娯楽映画の特徴なのかもしれないが、ほんの端役にも主役級を使っており贅沢だ。医師役の唐沢寿明などは、彼とは気が付かないぐらい一瞬である。私はファンだから見れてよかったのだが、ウエイトレス役の深田恭子はもったいないし、深津の父親役の草彅剛については、あの役は彼である必要は全くないように思う。草彅を看板として使っている。

 (私が観た劇場では、ところどころで笑いが湧き起こったが、大爆笑ではなかった。昔、寅さん映画を観た時にはどの作品でも場内から何度となく爆笑が起こった。なぜだろうか。一つには、描かれている人たちは皆一所懸命生きている。必死さの中にこそ笑いは生まれる。もう一つは、場内に一体感があったように思う。見に来る人は寅さん一家だったのだ。そこには価値観の共有があった。一方の三谷の映画になんらかの明確な価値観があるだろうか。初めから笑わせることを優先して脚本を書くと、芯のない作品になってしまうのではなかろうか。)

 夫婦がともに50歳以上だと一人千円で見られる割引がある。千円だったらペイする作品だ。

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