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2011年9月18日 (日)

中村たかとし「11分の1」 待望の第2巻

  新進気鋭の漫画家、中村たかとしの第2回作品集が集英社から発刊された。

 元来、「巨人の星」や「あしたのジョー」などの名作以外は漫画本を読まない人間だが、この作品だけは発売を待って購入し、何度も読み返している。

 題材はサッカーだが、中村が書いているのは人の生き方である。私は、この作品には希望を失っているように見える(事実、失っている)若者たちへのメッセージが塗りこめられていると思っている。それはお説教じみた朱色のメッセージではなく、薄い水彩絵の具のメッセージだ。自分の好きな道を迷わずに歩く。その思いは強固だ。

 安藤ソラの歩く道、神埼真臣の歩く道、水野由花の歩く道、それぞれ違っていても、遠い将来にどこかで交わるだろうという期待感がある。それは大げさに言えば、再び生命力を持ち直した日本の姿だ。

 中村の感性は瑞々しいが、老いを感じ始めた私にはあまりに鋭利である。彼のメッセージは私には叱責に聞こえる。私も、ソラたちが歩みを進める未来に向かって一歩を踏み出すことができるだろうか。そして、彼らとどこかで交わることができるだろうか。

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