« 論点を合わせる | トップページ | 通販の広告 矯正下着のモデルは? »

2011年9月27日 (火)

サービス産業を考える

 日本経済の変動については、多くの経済学者が研究を行っており、その分析は彼らに任せるべきだが、私も一人のビジネスパーソンとして興味深く見つめている。

 経済成長を遂げた国には、その成長のプロセスにほぼ共通したパターンがある。工業化が進み、そこに農業分野から労働人口の移転が進む。消費は工業生産物を中心に高まっていく。次第に富が蓄積され、国民の所得も増大して購買力が大きくなる。そして、消費は次第にサービス分野(第3次産業)に向かうようになる。GDPにおけるサービス分野のシェアは60~70%にまで高まる。

 サービス産業と言っても各種ある。卸・小売業、金融・保険業、不動産業、運輸・通信業、電気・ガス・水道・熱供給業、医療・福祉、飲食宿泊業、サービス業、公務など。身の周りを見ても、これらの分野に勤める人が多い。
 ところで、同じサービス産業と言っても、中身は多様である。投下する資本の大きさで区別することもできるし、必要とされる労働の質の高低でも区別できるし、付加価値の大小でも見ることができる。ガス・水道などの分野はインフラに巨額の投資が必要だ。金融、通信、医療分野は高度な知識が求められる。基本的に独占化が進むほど付加価値は高まる。容易に参入できる産業は、おおむね付加価値は小さく、分かりやすい言葉に置き換えると、要するに儲からない。乱暴に区分すると、儲かるサービス産業と儲からないサービス産業があるわけだ。

 製造業は、海外からの製品輸入および企業の生産性向上と合理化とによって、付加価値の低い労働力をサービス産業へと吐き出していった。それらは、上記の儲からないサービス産業に流れたのである。そのうえ、その分野は付加価値が小さいゆえに非正規化しやすい。小売りや飲食、娯楽の分野はその典型であろう。いいか悪いかは別にして、昨今問題視されている現象は、このような大きな流れのなかで起こっていることである。

 今後については、さらにサービス分野に外国人労働者が流入することが考えられる。労働力のデフレが進む。製造業においても、生産拠点の海外への移転がさらに進み、それも労働者が外国人に置き換わっていくことを意味している。
 サービス産業は、国内で生産され国内で消費されるので、富が国内で循環しているように見えるが、先ほど触れた外国人労働者の問題があり、日本人労働者の職を圧迫するとともに所得を国外に流出させる。また外国の資本がこの市場に参入している問題もある。

 国家の枠でとらえれば、さまざまな問題が起こっている。国家エゴをむき出しにするのは慎むべきだが、国益のバランスは考えるべきである。基本方針として、優秀だと言われる日本の労働者の能力(製造業だけではなくサービス分野でも見るべきものはある)を無駄にせず、やる気をさらに引き出して活用する政策を重視すべきである。そして安定した国際的地位を確立しつつ、他国の成長とのバランスをとっていかなければならばい。

 私の勤める会社は、おもに飲食・宿泊業をお客さまにしている。非常に厳しい分野にお世話になり、稼がしていただいていることをありがたく思う。同時に、その分野に貢献できる製品とサービスの提供がなければ存在価値をなくすことも自覚しなければならない。

 

« 論点を合わせる | トップページ | 通販の広告 矯正下着のモデルは? »

コメント

コメントを書く

コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。

(ウェブ上には掲載しません)

« 論点を合わせる | トップページ | 通販の広告 矯正下着のモデルは? »