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2011年8月22日 (月)

第93回全国高校野球選手権大会を振り返って

2年ぶりに3人の高校野球ファンが集まり、今大会について語り合いました。

清水 「一昨年は中京大中京が下馬評通りの強さを発揮して優勝しました。非常にいい大会だったと記憶しています。皆さんはいかがでしたか。」

河本 「そうですね。優勝校は予想通りでしたが、日本文理が頑張って準優勝するなど波乱もあって、いい勝負がたくさん見られた大会だったですね。」

児島 「面白かったのは中京と関西学院の試合だったです。最後はサヨナラホームランで決着しましたが、山崎君がよく投げました。大学でも捕手で頑張っているようです。それから、花巻東の菊池雄星と明豊の今宮君との投げ合いも見ごたえがありました。二人ともプロに進みましたね。」

清水 「さて、今年の大会ですが、みなさん忙しくてあまり見ていないそうですね。私も同じなんですが。」

河本 「ええ。郷里に帰っていまして、テレビで少し観た程度です。」

児島 「私もテレビ観戦でした。例年1回は甲子園に足を運ぶのですが、年々あの暑さに耐えられなくなってきました。」

清水 「私は大阪の地方大会を一度見に行きましたが、本大会は皆さんと同じようにテレビで観ました。ちなみに大阪は柏原が逆転で大阪桐蔭を下して初出場しました。これまでも決して弱いチームではなかったが、とにかく強豪がそろっているから優勝はできなかった。私も大阪桐蔭で決まりだと思っていましたからね。田中秀昌監督の力もあります。今アメリカで活躍している黒田投手も、上宮時代に田中監督に指導を受けています。さて、大会についての感想をうかがいましょう。」

児島 「結果的に見ると、日大三校の充実が目立った大会でしたね。優勝候補がそのまま勝ちあがったという意味では91回大会に似ている。」

河本 「打力と投手力がともに最高水準だから強い。もちろん、それでも負ける時はあるんだが。」

児島 「智弁和歌山との試合が山だったかな。終盤のソロホームラン1本が効いたね。」

河本 「あれで吉永が楽になった。」

清水 「兎に角、下位打線までスイングが鋭くて、打球の速さはプロ並みですね。もっとも、木のバットじゃああはいかないでしょうが。他のチームはいかがですか。」

河本 「光星学院の選手はよく頑張りました。秋田君の好投が光ったと思います。特に東洋大姫路の一戦では、緊迫したゲームでよく踏ん張りました。」

児島 「あのチームはレギュラーに地元の選手がいないらしいね。選手に罪はないけれど、違和感がある。地元のファンも複雑な心境じゃないですか。」

河本 「それは否めないね。ただ私学がいい選手を集めてくるのは他のスポーツでも同じでね。人気スポーツだとよりクローズアップされる。」

児島 「世の中、財力のあるところに人材も集まるわけで、その縮図ですよ。」

清水 「しかし、そんななかでも公立校で勝ち抜いてくるチームがあります。そのなかには、徳島商業などの伝統校もあるし、無名の高校もありました。また予選を見ていても、進学校がいいところまで勝ち上がった例がある。奈良の奈良高校と三重の四日市高校はベスト4に残った。ともに県で一番の進学校です。それから、愛知では時習館が中京大中京を破る番狂わせを演じた。私学が強いと言っても、変化はあるようでして、私の知っている学校では野球部にばかり金を使うことに父兄や地域の人たちから批判が出て方向転換しました。」

児島 「それも財力次第という面があって、本当に金のある私学は施設がすごいうえに、合宿や遠征にうんと使っている。金のない学校は、監督自ら中古のマイクロバスを運転したりして事故を起こしたりしている。」

河本 「少子化で生徒を集めるのが大変になるから名を売りたいよね。生徒だって有名な高校に行っている方がアイデンティティーを持ちやすい。」

児島 「難しいことを言うね。でも、スポーツのことを話していても、それは現実の社会と切り離せないということだな。」

清水 「大会の話に戻りましょう。その他のチームで印象に残ったところは。」

児島 「うーん。関西かな。強豪の九州国際大付属戦では、水原君が素晴らしい投球をした。あれで勢いにのって、明豊、如水館と力のあるところを連覇した。」

河本 「私は、チームというよりも、金沢の釜田君と聖光学院の歳内君との投げ合いが見ごたえがあった。松坂のような、どうにも打てないような力はないけれど、投球のレベルは高いと思った。よく切れるスライダーと落ちる球があれば強いね。まっすぐにも力があったが、さすがに甘く入ると今の高校生は打ち返す。それから、キャッチャーのリードだけれど、得意球に偏り過ぎる傾向があった。もう少し考えた方がよい。」

清水 「私は関西人なので、どうしても地元に目が行くのですが、八幡商業の大逆転劇がもっとも印象的です。ああいうことが起こるので、高校野球は怖いし、甲子園は怖いところなんです。打球が吸い寄せられていきました。ポール際は風が抜けていくので、よく伸びるらしいですね。本当に興奮しました。」

児島 「もうひとつ。智弁が横浜を破った試合も印象的だった。8回の集中打はすごかったが、投手の交代のタイミングが問題になったね。私は監督が慌てたと思っているんだが、それも結果論かもしれない。いったん流れが向こうに行くと、止めようがないといういい事例だった。それから、もう時間がないから言っておきたいのだけれど、殊勲打を撃った時の喜び方が異常だね。それがチームに勢いを与えるという面はあるけれど、程度があるよ。大はしゃぎしている感じ。クールに構えている選手もいていいのじゃないかと思う。ついでに中継のアナウンサーも絶叫しすぎ。大きい!と叫んだら、フェンスの何メートルも前で捕られたりする。大きいというのは中段ぐらいまで持っていくのを言うんです。」

清水 「厳しい意見が出たところで、終わりたいと思いますが、できればまた来年集まりたいですね。次の夏まで、健康に気を付けて頑張りましょう。」

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