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2011年7月 7日 (木)

影響しあう精神

 名を成したのちに、同種の分野の著名人が集い、グループを形成することは特段珍しいことではない。仕事を通じて知り合い、交流が互いの業績にプラスに左右するなら大変よいことである。

 一方で、名を成す前に、まだ未成熟な才能が知り合い、互いに影響しあうことで一流の人物になっていく例もある。
 小説家の福永武彦と中村真一郎は中学からの同級生である。開成中学、第一高等学校、東京帝国大学と同じ道を歩く。専攻は同じ仏文である。二人の経歴を詳しく調べていないので分からないが、この二人は一方がいなければ他方が存在しえないような関係にあったのではないかと想像される。ここに一高からは加藤周一が加わって、互いに才能を開花させ、注目を浴びるようになる。世間は彼らをグループとして見ることで、一人ひとり孤立して活動するよりも認知度を高める。

 西田幾多郎と鈴木大拙は四高の同級生であった。地方都市の一隅に、のちに日本を代表する哲学者と宗教家が育ったことに驚きを覚える。(なぜこんなことが起こるのか、後日あらためて考えてみたい。)
 他に夏目漱石と正岡子規の関係などもあり、その世界で大きな業績を残す人物が同時に出現してくることがあるのだと知らされる。人間はその関係において影響しあうものなのであり、それがよい影響にあったときに奇跡を生みだす。もっとも、それぞれに成長の要素が備わっていればの話であるが。逆に、足を引っ張り合う関係もありうるわけだ。だれに出会うのか、この偶然は人生において決して小さな出来事ではなさそうである。

 自分にとって有益な出会いを欲することよりも、願わくば自分との出会いが相手によき結果を与えられることを望みたい。

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