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2011年5月17日 (火)

フランチェスコ・アルベローニ

 本を片づけていたら、段ボール箱の中からずいぶん前に買って読みかけのまましまっておいたものが出てきた。そのなかの一冊に、イタリアの社会学者であるフランチェスコ・アルベローニが書いた邦題が「他人をほめる人、けなす人」という本があった。

 これは著者が新聞に連載した、人間観察のエッセイである。60種類近い人間のタイプについて書かれてあり、それぞれ確かにこんな人がいるなと思わせる。しかも、よく考えると、自分自身に当てはまる類型がいくつもあり、また何かの拍子でこのすべてのタイプに陥ってしまう可能性があると思ってしまう。人間の性格にはいくつもの要素が混在しており、それも固定的なものではなく、変わりうるものである。

 新聞への連載のためか、企業経営に触れている文章もある。タイトルでいうと、「企業に連帯する人」「企業と一体化する人」である。
 そのなかで、日本の経営について触れていて面白い。その要旨をまとめると以下のような内容になる。「日本では社員の経営への参加ということが言われるが、ヨーロッパでは多くの人々が企業を、経営者に疑念を抱きながら、たんに給料を受け取るために働きに行くところというふうに考えている。日本的な考え方は、階級闘争を解消するための巧妙なやり口だと考えがちだ。しかし、今や連帯感とか帰属意識とかよき競争意識とかを持つことのできる場は企業しかなくなってしまったのではないか。本当に必要な企業とはそういう要求を満たせる企業である。」

 最後にもっとも印象的な一文を紹介して短いけれど終わりにしたい。

 「しばしば私が思うのは、将来に勝利し生き残るのは、新しい社会ルール、新たな行動モデル、新たな価値観が生み出される、新しい型の企業だろうということである。都市、政党、教団に似た企業。即ち、市場で執拗に巧みに闘い、しかしそれと同時に、人びとが精神的にも自己を実現できる連帯感の強い共同体であるところの企業である。」

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