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2011年1月23日 (日)

性犯罪前歴者にGPS

 性犯罪前歴者に対するGPSの常時携帯義務化を宮城県が検討しているらしい。法務省もすでに研究に入っている。この動きはこれまでも新聞等でときどき報じられてきた。

 この施策には問題がある。執行猶予中や仮釈放中なら分からないことはないが、刑期を終えた人間の行動を監視することは誤りである。これが実施され既成事実化すれば、監視期間の延長や他の犯罪への適用も順次行われることが想像に難くない。
 性犯罪は確かに重たい犯罪であろう。被害者が受けた心の傷はおそらく死ぬまで癒せぬものに違いない。だから、こういう犯罪は撲滅したい。未然防止の方策は様々な角度から検討されてしかるべきだが、GPS携帯のような施策は除外すべきだろう。

 刑期を終えた者がその後どのような状況に置かれるのか、調べたことがないので詳しく分からない。しかし、推測するに、家族からも友人からも疎んぜられて結果的には孤独に暮らしているのではないだろうか。それが次の犯罪に走らせる一つの原因になっているのではないか。これは他の犯罪にも共通して言えることだ。
 周囲に注意深く見守る(「監視」ではない)目があれば、それは抑止する力になる。誰しも心に弱い部分があったり、歪んだ要素を抱えていたりする。一見普通に見える人にも、本人にしか分からない妄想癖があったりもする。そういう人でも大半は犯罪に手を染めることはない。それは、周囲にいる人達との人間関係が一定の調和を維持しているから、行動に対してブレーキがかかるのである。

 GPSの携帯義務を行ったら、それにまた罰則が生じるのだろう。性犯罪は起こさなくても、別の犯罪が生じる。そしたらまた刑務所に舞い戻るのだろうか。そんなことをしていたら刑務所をいくつ作っても間に合わない。国の予算もない。犯罪をなくすことは住民レベル、地域レベルで考えないと解決しない。極端に犯罪の少ない市町村があるが、その要因を探れば面白いのではないかと思う。

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