« 故郷の海はありがたきかな | トップページ | 小吉 おみくじ »

2011年1月 4日 (火)

負債を抱えること

 新興国の労働者たちはローンで物を買うことを覚える(覚えさせられる)。ブラジルの労働者が電気製品を買い、インドネシアの労働者がスクーターを買うところをテレビの報道で見たことがある。買っている本人は、商品を手に入れて嬉しそうだった。今までは高額なものを手に入れることは困難だったが、支払いを分割することで可能になった。これを教えたのは銀行である。

 買う方は返せると思うから借りて買う。貸す方は返ってくると計算するから貸す。いずれも未来に対して楽観的であるからこそできる行為である。収入が安定しているから、あるいは少しずつでも増えていくだろうという見込みが商品の購入を促進する。新興国では所得の伸び以上に消費が促進するから経済成長に力がある。借金は将来の労働の成果の先食いには違いないが、確実に未来が期待できるのであればその負荷は小さく感じる。

 現在の日本の場合は、何もかもが縮んでいく傾向にある。だから人の考えは保守的になり、行為は消極的になる。購買行動においても同じだ。過去に未来を楽観視して高額の買い物をしてしまった者は、その負債の大きさに苦しみ、労働の目的がその負債の埋め合わせに奪われている。バブル期に住宅を購入した世代は随分苦労した。失われた20年とはこの人達のためにある言葉のように思える。

 負債、借金はできる限り背負いたくないものだ。心の負債も含めて。

« 故郷の海はありがたきかな | トップページ | 小吉 おみくじ »

コメント

コメントを書く

コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。

(ウェブ上には掲載しません)

« 故郷の海はありがたきかな | トップページ | 小吉 おみくじ »