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2011年1月30日 (日)

三笠の山に出でし月かも

 天の原 ふりさけ見れば 春日なる 三笠の山に 出でし月かも

 中国の子会社に出向している社員が春節を前にして、もうすぐ帰国する。交通手段が発達して3時間もあったら帰れるようになったとはいえ、現地での任務を放置するわけにはいかないから年に2回ほどしか帰国できない。一から立ち上げた事業を進めるのは容易ではなく、現地の社員とのコミュニケーションは難しく、生活への適応も簡単ではない。また場所が上海などの都会ではなく、福建省なので日本人が少なく、ローカルなルールや風習が残っている。

 そんな状況で毎日暮らすのは不安だろう。先日は現地に出張するものに雑誌を持って行ってもらったが、日本の文化に飢えているそうだ。なかには適応力が抜群で馴染んでしまっている社員もいるが、自分だったらはやり寂しい気持ちがひしひしと押し寄せてくるに違いない。過去には、心に病を負ってしまった人も出たぐらいだから。

 帰ってきたら、まずはご苦労さんと言ってあげよう。これもできていない、あれもできていないと言いたいところだが、久々に帰ってきたときにそんなことを言われたら立つ瀬がないというものだろう。

 冬の月はきれいに見える。残念ながらこれから新月に向かってしまうので日本の地で月を眺めることはできないが、同じものでも見る場所で心情は違ってくる。
 生まれた国が一番いいと思えるのは日本が平和だからだろうか。生き抜くことが困難な国ではそんな悠長なことは言っておられず、難民として国外へ逃亡しなければならないこともある。

 しかし、企業人としては日本にばかりこだわっていることはできない。市場を求めて海外に出なければならない。いまさらコスモポリタンになれと言われても無理だが、国境を超える勇気は持たねばならない。

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