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2010年11月29日 (月)

管内閣の判断 朝鮮学校無償化打ち切りを考える

 北朝鮮による韓国領土への武力挑発をきっかけに、管内閣は高校の学費無料化の流れで一旦決定していた朝鮮学校への学費補助を取りやめる判断を下した。報道を漠然と受け止めると仕方ないのかと思いがちだが、本当に適切な判断だろうか。即断せず、一度問題の構造をじっくり考えてみてはいかがだろうか。

 11月25日の午後にタクシーに乗り、流れているラジオで国会中継を耳にしたが、そこでは社民党の福島党首が管首相に質問していた。北朝鮮による武力挑発への対応と朝鮮学校への学費補助とは分けて考えるよう要請する内容だった。実は、私もこの問題の取り扱いについては、それぞれの判断がどうなるかは別にしても、分けて考えるべきではないかと思っていた。管内閣が直ちに冒頭で示した判断を下したことはあまりに性急であり、国際的にみればほとんど影響力を持たない決定であるにも拘わらず急いだことの意味が分からなかった。推測だが、内閣が弱腰との批判をかわすために敢えて強硬姿勢を見せるためのパフォーマンスではなかったのか。

 分けて冷静に考えることが大事だ。北による武力挑発は、休戦協定違反であり、結果的に民間人の死者を出したことも含めて厳しく糾弾すべきである。この点で意見の異なる人は皆無であろう。また対応としては、安易に挑発に乗らず、当事者の韓国を主体にした関係各国の連携を促し、外交の力で包囲していくことが肝要である。日本は当事国ではないから、その域を出た行動は避けるべきである。
 朝鮮学校の方は、様々論点があろう。国の近代国家としての人権や教育に対する義務・責任の観点から考えるべきことがある。それと裏腹に、日本という国に住む住民としての権利義務の関係、なかでも教育を受ける権利の観点から考えることがある。(国籍を持たない児童・生徒にも同様に教育を受ける権利があるという考え方がある)また、同等の案件に対して国際社会はどのような方向に動いているのかを知る必要がある。さらには、実態として朝鮮学校における教育の内容は文部科学省が認める学校とどれだけ違うのかという検証も必要になる。
 他にも論点はあるだろう。結果はどうであれ、それらを考えることで今まで考慮しなかった要素を判断の尺度に加えることができる。そうすれば、子どもの喧嘩のレベルから大人の判断へと階段を上がることができるだろう。少なくとも先入観に基づいた感情的な反応はなくなるに違いない。

 私自身の見解は書かなかったが、急いで結論を出さなくてもよいという主張だけは言っておきたい。武力挑発には毅然とした態度をとればそれでよいのであって、勢いあまって教育の問題にあわてて言及する必要はないのである。

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