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2010年10月19日 (火)

変われない人々

 今の自分が一番良いと居直っている人は別にして、世の中が変わるにつれて自分の行動や発言の仕方、付き合いの仕方などを変えたいと思っている人は多い。それは経済的な意味でも精神的な意味においても、よりよく生きたいと願っているからである。
 ところが、経験的に、そんなに簡単に変われないことを知っている。もちろん、変わることはどんな人でも可能なことであるし、現に変わった人のことを何度かブログでも紹介している。しかし、それにしても容易ではないことをやってくれたので賞賛している面が強い。周囲が躊躇することなく変わったと認めるほどの行動の変化は、頻繁に経験できることではない。

 一度固まってしまった思考や行動のパターンは容易に崩れない。それは厳しい環境の中で「鍛えられた」場合にはなおのこと強固に定着しているので揺るがない。「意固地な人」がいるが、これは生来の気質として親から受け継いだ面もあるし、育った環境の中で周囲の人々との関係が融和的でなかったためでもあろう。理由はともあれ、そんな強固な意固地さを解凍するのは大変だ。周りが気を使って仲良くやっていても、なにかの拍子にその意固地さが出て本人の成長を止めてしまう。自分のことも謙虚に見て、足りないところは努力して補おうと思えればよいが、そのことよりも他人の批判が先行する。自分は頑張っているが、それを受け止めない方が悪いという論理が優先するのである。
 このタイプの人はよくて現状維持である。知識は増えても、生きる知恵はいつまでたっても身に付かない。逆に不満は昂じていく。なぜ努力しているのに評価してくれないのか。そして最後には、組織が悪いのだと言い出すだろう。かといって、組織から離れていくかというとそうでもない。実際には、他で生きていく自信はないのである。

 しかし、どんな人にも変わる可能性がある以上、そんな極端な例であっても捨てるわけにはいかない。常に敵対しているのでもないし、仕事はしているので必要な部分はある。飲みに行けば楽しく話もする。要は、成長への期待に答えられないのである。それでもいいじゃないかという考え方もある。それでもいいだろう。そんな人間が一人いたからといって組織はつぶれることはない。残念なのは、努力している人達の意欲を多少のことではあるが削いでしまうことだ。それだけは言っておかざるをえない。

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