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2010年8月23日 (月)

本末転倒Ⅱ 海外短期ボランティア 

 就職活動を前にして、短期で海外にボランティア旅行に出かける学生が増えていると言う。ボランティア活動を行うこと、海外旅行に出かけることは、それ自体よいことだと思う。しかし、就職の時期を目前にして駆け込み的に行くというのは、面接で自分を売り込むための手段として考えているのではないかと疑ってしまう。全部とは言わないが、おそらく大半がそういう意図を持って行われているのだろう。
 旅行会社のプランを見ると、地元の子どもたちとの交流や老人施設での介護の手伝いなどが含まれている。悪いとは言わないが、そういうことは日本でも出来る。高齢化で、手を借りたい施設はいくらでもあるだろう。なぜ海外でなければならないのだろうか。見聞を広めるというのも一つの目的だろうが、それなら日本とは発展の度合いに差があり、文化的な差も大きい地域を出来るだけ広範囲に回るスケジュールを組むほうが合理的だ。旅行にボランティア体験をセットしたお気楽な企画だと見れなくもないのだ。
 大学を一年単位で休学し、長期の海外ボランティアに参加する学生もいる。卒業した後、そういう道を選択する若者もいる。大変腰の据わった立派な選択だと思う。とはいえ、さすがにそこまで覚悟を決めるのは大変なことだ。私は、そこまでは出来ないという若者にはぜひ日本国内でボランティアに参加することを期待したい。おそらく受け皿はたくさんあるだろう。難しい問題もないとは言えないが、簡単なことばかりであれば勉強にはならない。自分がやらなかったことを勧めるのは気がひけるが、勤め先で面接を受け持つ機会のある者として、そういった地道な活動を行ってきた人を評価したい気持ちがあるから言いたいのである。
 活動のなかで、厳しい現実のあることを知る。それは企業で仕事をする上で、何らかの影響を与えるだろう。直接は関係なくとも、企業活動は社会のなかで行われるのであるから、環境問題などとともに高齢化に伴う介護の問題も、経営を考える際に外に置いてよい問題ではない。

 行かないよりは行く方がましだとは思うが、本末転倒ではないかと思わされる現象だ。

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