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2010年8月19日 (木)

養老孟司 「養老訓」より

 帰省列車のなかで読もうとこの本を買った。養老孟司の書いていることは、必ずしも同感する内容ばかりではないが、読みやすく肩が凝らない。この本は私が読むには少し早いのかもしれないが、落ち着いた口調で淡々と語る養老さんの話は自分の考え方や生き方を見直すのに強すぎない刺激を与えてくれる。

 PRも兼ねて、私の共感できる部分を一部抜き出しておこう。新潮文庫の65ページから69ページにかけての文章である。
 
  「仕事は自分のため」ではない
 もちろんある程度の能力が評価されるのは当然です。しかし、その評価方法(注:能力主義、業績主義)があまりに幅を利かせると、偉くなった人は「俺は能力があるから偉くなったんだ」と考えるようになります。そうすると、仕事が世間のために存在していて、あくまでも自分はそのお手伝いをしているのだという考えが消えてしまいます。本当はそれが肝心なことのはずなのです。

  仕事は「預かりもの」
 「仕事は自分のためにやっている」という考えが能力主義、業績主義の根底にはあります。「自分に能力があるから、会社の業績が伸ばせたのだ」「会社の業績が伸びたのだから、自分が偉くなるのは当然だ」という考えです。ここにはまず「自分」が先にあります。そのせいで世のため、人のためという気持ちがなくなるのです。
 しかし、仕事というのは世の中からの「預かりもの」です。歩いていたら道に穴が空いていた。危ないから埋める。たまたま出くわした穴、それを埋めることが仕事なのです。

 日頃考えていることに近い内容なので、抜き出した。

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