« 楽観を排し、楽天的に生きよ | トップページ | 宮里藍の爆発力 »

2010年7月21日 (水)

朱里エイコのこと

 1972年、当時私は中学生だったが、「北国行きで」という歌がヒットした。歌ったのは朱里エイコだ。アメリカ帰りの実力派シンガーとして売り出し、一時脚光を浴びた。紅白歌合戦などテレビにも数多く出演し、歌と同時にきれいな足をステップさせる振り付けで魅了した。しかし、その後ヒットは続かず、アイドル偏重の歌謡界からはじき出された形になった。実力を武器にショービジネスに身を投じて一定の成功を収めたが、やはりヒットの味が忘れられなかったのか精神的に弱ってしまい活動が停滞する。肝臓病を患ったのち、最期は心不全で56歳の若さで逝ってしまった。
 ヒットはしなかったが、歌が上手いこともあって聴ける歌はたくさんある。北国行きのB面はしっとりしたいい歌だ。「窓あかり」はスローな曲だが、伸びやかな発声で聴かせてくれる。「ジョーのダイアモンド」は彼女らしさが出ているいい曲だ。なかでも一番好きな曲は、「白い小鳩」。椎名林檎などカバーしている歌手もいるが、本家には勝てない。ビートが効いていて気持ちがいい歌だ。ちなみに、作詞:山上路夫、作曲:都倉俊一のコンビによる作品である。

 実力があっても売れるとは限らない。黛ジュンも最初は歌謡曲ブームに乗って売れたが、その後は日の当らない道を歩んだ。一旦脚光を浴びるとそれが忘れられず、クラブや小さなホールで歌うことが苦になるのだろうか。やっぱり夢はヒット曲を出すことなんだろうなあ。演歌歌手の渥美二郎は流しから入り、「夢追い酒」を大ヒットさせた。レコードを出したあとは全国をキャンペーンで回り、有線にリクエスト電話をかけまくり給料を全部使い果たしたという逸話がある。多かれ少なかれ皆そうなのだろう。スターになるのはあまりに厳しい道のりである。

« 楽観を排し、楽天的に生きよ | トップページ | 宮里藍の爆発力 »

コメント

コメントを書く

コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。

(ウェブ上には掲載しません)

« 楽観を排し、楽天的に生きよ | トップページ | 宮里藍の爆発力 »