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2010年6月 7日 (月)

教育への過剰投資による生計の破綻 

 本当に教育にはお金がかかる。いや、正しくは学校を卒業するのに金がかかるのだ。十分に教育が施され、授業料に応じた成果を享受できているかは定かでない。もちろん、受ける側の姿勢にも問題があるので、一方的に学校法人を責めるつもりはない。
 そんなにまでして子を学校にやるのはなぜかと言えば、進学率が高まっていることは言うに及ばず、就職に大卒の資格が必要だからであり、さらには大企業への就職は難関大学卒が有利に働くからである。これらは偽らざる親の心理であり、共通した動機ではないかと思われる。
 勝間和代が書いていたが、教育への投資はリターン6%で考えられるそうである。この場合の教育はビジネススクールへ通ったり書籍を購入したりする、主に自分自身への投資を意味しているのだが、子を持つ親の思惑としても解釈することができる。もっとも後者の場合はリターンの受取人は子の方である。私の親父は尋常高等小学校しか出ていなかったためか、財産は残してやれないが学校だけは出してやると言って貧乏しながら頑張っていた。これも将来のリターンを子に贈与するための投資だったのである。
 今の親もそれと同じ気持ちなのだろう。しかし、思惑どおりに進まない事態も生れている。一つは、学費があまりに高い。これは親の所得との関係で相対的に変化するものではあるが、総体的に見て、かつては所得の増加率も高かったから負担感が小さかった。また、リターンの確実性も損なわれている。ハイリスクであはあるが、必ずしもハイリターンではない。ただただ、出遅れを恐れて金を使い続けているのである。
 教育の資金を予め用意することは重要であるが、住宅ローンを抱えた身では十分にできるものではない。せいぜい郵政の学資保険で入学金プラスアルファを賄える程度が標準だろう。そのあと襲ってくる、年間100万円程度の学費は教育ローンに頼ったり、有利子の奨学金によって賄う。これが一人ならまだよいが、二人三人と重なればローンの限度額を超えることさえある。これらの借金は親はその後10年ほどかかって返済しなければならない。それが何を犠牲にするかは容易に想像できるだろう。老後資金である。残せないばかりか、退職金にまで浸食すれば心細い。年金も減額されるだろうから、厳しい生活が待っている。結局は、育てた子にも頼ることになるが、子も楽でないことは明らかだろう。
 こういう負債を抱えた人間が増えていけば、それこそ明るい日本の未来など展望できようか。偉い経済学者が言っているそうだ。現在の消費の大きさを決めるものは、現在の所得ではなく、生涯にわたって得ることのできる所得の見込みであると。負債の存在は、見込みを減ずる役割を果たすのは明らかだ。

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