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2010年5月18日 (火)

落合博満からのメッセージ 

 落合博満については、選手時代のことと監督に就いてからのことで何度かブログを書かせてもらった。一つは、東尾修からの死球に対しバットでお返しの打球を見舞わせたこと。もう一つは日本シリーズでの山井の交代劇のことである。
 後者について少し触れておくと、あの時は論議が巻き起こって落合自身も自分の考えを述べていたが、それも批判的な意見に対して防衛的に後から考えた理屈であって、実際の場面ではあまり考えずにペナントレースと同じように動いたのではないか。そして、それが出来たのは、そもそも岩瀬という信頼できるクローザーの存在があればこそである。彼がいなければ山井を続投させる選択しかありえなかった。落合の判断は岩瀬なしにはありえないし、あのような議論もありえなかったのある。それにも拘わらず、岩瀬の存在に関心が集まらなかったのは、山井の記録に目が行き過ぎていたからであり、どうやって戦いに勝つかという戦略論が好まれなかったからに違いない。言いかえれば、スポーツのプレーを楽しむという次元で捉えたファンが大半であって、スポーツのなかに組織論を見るファンが少なかったということになろう。
 さて、落合から学ぶことがたくさんあると思う。とは言っても、立場によって学ぶべき点に違いがある。大事な点を一つ上げるとすれば、現状の把握は徹底的にクールに、しかしそのなかからプラスになる要素は残らず拾い上げようとする姿勢であろう。落合は決して悲観的ではなく、厳しいけれども楽天家のように見える。2年前だったろうか、川上が抜け、福留が抜け、そしてタイロンウッズがいなくなった時に、それでも今年は一番戦力が充実していると言い放った。これには野村克也も、落合は面白いやつだと苦笑していた。強がりを言っていると思ったに違いないのだが、当の落合自身は本気でそう思っていたのではないだろうか。きっと勝算はあったのだ。どんな状況でも勝ちに結びつく要素を掘り起こす力が備わっていることが落合の強みである。
 これは個々人に欲しい能力であるが、特に組織のトップ、企業であれば経営トップに欲しい資質である。今、日本に求められているのはそういう人間像ではないだろうか。

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