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2010年4月18日 (日)

日本経済新聞の2大キャンペーン

 長く日本経済新聞を購読し、それなりに重宝している。そこで、世の中で何が起こっているか、どういう変化が起こっているのかを知ることができる。また、経営者、学者、アナリストなどの発言から、多様なものの見方・考え方を学ぶことができる。

 さて、その日本経済新聞であるが、最近徹底してキャンペーンを張っていることがらがある。①郵政民営化の後退を批判する記事と②鳩山首相の米軍基地問題への対応を批判する記事である。連日の激しい批判を見ていると、かなり意図的計画的な2大キャンペーンとの解釈が成り立つのではないかと思われる。
 ①では、郵便貯金の預入限度額を引き上げることは民業圧迫であるとの論調がある。郵貯にお金が流れ込んで地域の金融機関を経営危機に追いやるというのである。一方では、郵貯の資金は国債を買い支えるために使われ、経済成長のための資金として有効活用されないという観点からの批判もある。さらには、根本的に日本のあらゆる地域を網羅する郵政の拠点は非効率であり、維持運営のコストは社会的な無駄を生んでいるという見方がある。郵便物の配送などはすでに物流企業によって賄いうる態勢にあるのだから、それを活用すればよいという見解もある。このような批判は日本経済新聞に固有のものではないが、経済団体や銀行協会の利益をかなり直接的に代弁した論調になっていることは間違いない。私は、金融や保険も含めて国で運営する部分がある方がいいと思っている。しかし、それはあくまで国民の生活を安定化させるための手段であって、特定の集団の既得益を守るためにあるのではない。また集められた資金の運用についても国民の将来も含めた利益に結びつく内容になっていなければならない。
 ②では、アメリカ政府の機関紙ではないかと思われるほど、アメリカ寄りの論調である。鳩山政権を弁護しようという気はさらさらないが、アメリカの言いなりになることが国益にかなっているという基本思想を感じるにつけ、日本の首相には国民の利益を代表して代案を突きつける責務があるという論点において彼を擁護したくなる。これまでそうだったから、これからもそうしなければならないという理屈はない。現在の国際関係から、反米的な政策の選択はありえないという主張が強固であるが、日本の意思・行動によって国際関係が変化していく側面もあるのだから、流動的に考えるべきである。もちろん、不要な軋轢は外交努力によって極力避けるべきであろう。しかし、万策尽きれば、ある程度のことは覚悟しなければならない。アメリカ政府から、あるいはその意を受けた企業からの攻撃を受ける可能性がある。また、アメリカ政府の圧力で日中関係の悪化も考えられるかもしれない。それでも耐えきるには、外国の基地のない日本を実現するぞという国民の強固な総意を形成する必要がある。

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