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2010年3月14日 (日)

成功事例発表会を聴いて

 この金曜日(2010年3月12日)に東京で行われた営業の成功事例発表会に参加させてもらった。事前にレジュメをもらっていたが、一部の例外を除きストーリーが分かりにくい。営業活動で時間がないこともあるが、営業の人達はまとめるのが上手ではない。本来はお客さんに提案書を出して自社の製品やサービスを売り込むことが仕事なのだから、伝わるように資料を作成することが必要なのだが、それができていないとすれば改善し、レベルを上げるべきである。
 目的は、成功した事例からその成功要因を抽出し、他の営業に水平展開することである。発表の場では展開できるほど手段やプロセスが標準化できていなくても、まずはポイントさえ押さえられたら営業の参考になるに違いない。そういう意味で、要所を押さえた発表は分かりやすく、評価も高かった。内容はさほど特別なことをやっているのではないが、これを実行することでこういう結果が出ました。ここで大事なことはこの点ですと都度示しており、理解がしやすい。ある意味、定石を示しているので斬新さはないのだが、その点では他の発表も同じであったから、理解のしやすさが評価の分かれ目になったのである。
 これに対し評価の低かった発表は、いくつかのデータを用意し、表にまとめているのだが、その目的が明確でない。だから返って見る側を混乱させてしまう。結局、データとは関係なく目標を示していたり、データとは関係なく原因を特定したり、データとは関係なく対策を決めることになっている。不要なデータは邪魔である。それよりかは、経験的な仮説の方がよっぽど有益であろう。何度かやってみて結果が出れば一般化してもよいのである。われわれは学問をしているのではないから、いい加減では困るが、緻密である必要はないのだ。
 特定の現象に対する原因が本当にこれで正しいかどうか。しばし考えれば答えは出るように思うが、外れた答えが出てしまう。例えば、新規のユーザー開拓が進まないのは、メンテナンスサービスが不十分だからだという報告があった。深読みすれば、メンテナンス業務に自信がないので後のことを考えてしまい新規開拓の足がでないという理屈が考えられる。それであれば、そのことを表に出して説明すべきである。そいうしないと原因と結果がつながらない。正しく表現できれば、メンテナンスサービスの体制を並行して確立させながら新規開拓を計画的に進めようという施策が出るかもしれない。
 新規開拓が進まないのは、営業活動が量的に、あるいは質的に不十分だからだ。もしくは、対象がそもそも間違っている可能性がある。水たまりに釣り糸を垂れても魚は釣れないのは当然の話である。まずは、開拓可能なユーザーをリストアップできなければならない。そのためには、こちらからディーラーに対してこれまでの経験に基づいた抽出条件を提示し、それに適合したユーザーを選別する作業に協力を要請しなくてはならない。もちろん、それ以前にこれから実践することの目的と相手側に生れるであろう利益について力強く訴えることが必要だ。すなわち動機付けである。これがあって次に具体的に仕事のステップを確認し実施する。このように論理的かつ計画的にことを運び、進捗管理をお互いにしっかりやって、計画通りに進まない場合はタイムリーに軌道修正してロスを最小限に抑えたい。なかなか理屈ではコントロールできない、人間同士の相性や呼吸と言った要素もあって難しいこともあるが、それはそれで別に配慮したり、鍛練したりすればよいではないか。できない理屈や要素を上げることで、なにか今までにない画期的な成功要因が生れるだろか。
 細かいことに拘泥せず、上手くいったことに注目して評価することも必要だ。目をつむることも場合によっては上司の判断として必要だが、せっかく発表会をしているのだから普段得られないアドバイスを受けることは有益であり、謙虚に聞いて次回への反省にしてもらいたい。論理的につながらない営業施策は、結局成果が少ない。一時的な結果は出ても、それは広範には波及しえないものであることを知るべきだ。

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