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2010年1月24日 (日)

「高級魚離れ」から考える

 最近、新聞で「~離れ」という表現を時々見かける。最近では、「高級魚離れ」という言葉を目にした。また、「百貨店離れ」というのもあった。これは国民大衆の行動変化を言い表わしたもので、なかでも消費行動の変化について言われることが多い。ちなみに、高級魚離れについては、例年暮れにはまぐろへの需要が大きくなり値上がりするのだが、仕入れを増やした割には売れ行きが悪くて値下がりしているとの報道があった。百貨店離れはここ数年続いている百貨店の売上減少を指している。
 この「~離れ」について考えてみると、環境とくに経済環境の変化によって否応なしにそうなっているものと、意識的意図的に製品やサービスの供給者が動かしているものがあるように思う。また前者においても短期的変化と長期的な変化とがある。バブル経済の崩壊によって経済活動が一気に縮小し、所得は伸び悩みあるいは減少、消費が低迷し、長期的なデフレ状態になった。このプロセスで起こっている変化が長期的な変化である。そして、サブプライムローン問題およびリーマンショック以降の追い打ちをかけるような景気悪化に伴うものが短期的変化である。明確に線を引きづらいところはあるが、近年特に強く傾向が出ている現象は後者に当たるだろう。質も気にはかけつつも、とにかく安いものを求める傾向は顕著で、安いスーツが飛ぶように売れたり、ユニクロが驚異的な伸びを示したり、食品スーパーが安いPB商品の品ぞろえを強化したりする動きは、これまでの常識的な感覚からすれば少々やりすぎではないかと思われるほどだ。
 さてもとに戻り、はっきり供給側が動かしている変化としては、家電や自動車の事例がある。ブラウン管テレビから薄型テレビへの変化は、技術革新を力に製品開発が進み、一気に入れ替わって行った。(我が家はまだブラウン管テレビである。)また各社のシェアに大きな変化があったことも承知のことであろう。自動車の業界も同じで、エコカーへの流れが加速し、ここでもシェアの劇的な変化が起こる可能性が大だ。パソコンの小型化と低価格化も同様である。
 こう見てくると、意図しようがしまいが、大きな流れとしては所得減少とデフレの流れがあって、将来の所得も増えないだろうという悲観(思い込みと言うより、かなり確かな予想)が追い打ちをかけてその流れを強化している。基本的には企業が活況を呈さない限り経済のよい循環は生まれないので、環境への長期的視点も含めてイノベーションを進め、医療や介護などの分野での産業育成を行い、雇用を増やし、全体の国民所得を増大させるビジョンが必要になる。誰もが言っている、当たり前のことだが、学問的成果も取り入れて整合性のとれた、国際関係も踏まえた戦略的ビジョンを持つべきだと思う。

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