« 三遊亭圓生 「八五郎出世」 | トップページ | 組織における人間の成長 »

2009年11月14日 (土)

成長は何によってもたらされるか

 私が勤務している先は社員数が200人に満たない小さな企業だが、そこで見ていても一人ひとりに個性があって面白い。経営の立場から言えば、一人ひとりにどれだけの能力があり、その能力が目的や目標に向かってどれだけ発揮されているか。また、一人ひとりの能力は向上しているのかが気になるところである。
 人間の成長は基本的に緩やかなものであり、毎日見ていると気が付かないことが多い。自分のこどもがその典型的な例で、おじいちゃんやおばあちゃんが久しぶりに会って、大きくなったねえとか立派になったねえとか言っても、当の親には実感がない。社員にも同じようなことが言えるが、職場では成果を求められるし、そのためには努力も必要だ。また、仕事の力量を上げることも要求される。だから、のんびりしているわけにはいかない。ところが、期待通りに成長できる社員がいる半面、期待に反して伸びない社員もいるし、まれに期待さえ掛けられなくなっている者もいる。最近、ある事業所で、著しい成長を遂げた社員が数名いるという報告を受けたが、全体から見れば貴重な例であって、そんな人が続々と現れる状況には至っていない。おそらく、世の中には数多の企業が存在しているが、大半は同じことなのだ。何人かでも、そういう事例があるだけ私の会社は優れた面があるに違いない。

 さて、改まって、人が成長するには、条件として何が必要なのだろうか。

1 素材
 ①基礎的な能力  まずは生まれつき備わっている能力がある。体力面を考えると分かりやすいが、体格はもちろんのこと走る速さなどもかなり遺伝的な要素が大きくて、訓練によって伸ばすことはできるものの大きな制約を受けていることは否定できない。しかし、精神的な活動においては、芸術家や最先端技術の研究者などのように特殊な能力を必要とする場合を除いては、埋まらない溝ではないように思われる。
 ②感性、感受性  もうひとつ大事なものに、身体の外部から情報を取り入れる力がある。これも①の基礎的な能力のひとつなのだろうが、これを分けて考えるのは、成長にとって大きな決め手になると考えるからである。後天的な部分との区別は付きにくいが、生れつきこの能力の大小はある。  

2 環境
 ①家族  まずは生れて入る家族関係の在り方が人の成長に影響を与える。本人に選択の余地はないから、これこそ運命的な要素である。
 ②地域  今はこの要素は希薄になってしまった。昔は近所のおじさんやおばさんに教えられることが多かった。近所付き合いの大切さも学んだ。
 ③学校  これは今でも大きな影響力を持っている。昔は教師の権威が今よりずっと大きかったので、感化されることは多かった。よい教師にめぐり会うことは、その後の人生に少なからず影響を与えることも多かった。
 ④勤め先  人生のなかでもっとも費やす時間の長いのが、仕事の場所である。ここで本当の自分が鍛えられる。どういう職業あるいは職場にめぐり会うかは人生にとって決定的である。

3 契機
 基本的な条件は1と2に書いたとおりだが、決め手は何かというと特別なきっかけである。近くに師と呼べる人物がいるかどうかが行く末を左右する非常に大きな要素になる。基本的には本人には選択することのできないことであるが、そうとばかりは言えない。先に感受性のことを大事な要素として書いたが、周りにあるチャンスを自分のものにすることができるかどうかは、感じ取る感性の有無による。結局、最後に言いたいのは、自分が選択することのできない外的な要素を云々しても始まらないのであって、成長の機会を逃さないようにして、感受性を研ぎ澄まして、目ざとく見つけたなら思い切ってそこに力を集中することである。人生、そうそう勝負の時があるものではない。

 成長にはいくつかの条件がある。最後に大事なのはあくまで主体的な条件である。自ら成長しようとしなくて、どこに成功がころがっているというのだろうか。

« 三遊亭圓生 「八五郎出世」 | トップページ | 組織における人間の成長 »

コメント

コメントを書く

コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。

(ウェブ上には掲載しません)

« 三遊亭圓生 「八五郎出世」 | トップページ | 組織における人間の成長 »