« 総合的に考える | トップページ | イチローと落合博満との対談 »

2009年10月24日 (土)

山井の交代(2007年日本シリーズ)

 2007年11月1日の日本シリーズ第5戦における山井投手の交代については、マスコミ上だけではなく職場など身近な場所でも賛否両論乱れ飛んだ。山井投手は8回まで日本ハム打線をパーフェクトに抑えていたが、9回から落合監督は躊躇なく守護神岩瀬に交代させた。それに対し、あそこは続投させるべきだったという意見が多く聞かれたのであった。私は翌日11月2日のブログに落合監督の判断を支持する意見を書いた。それは、単にプロ野球の一ファンというよりは、監督はどうあるべきかという観点からの主張であった。

 ところで、YouTubeでスポーツ関係の動画を検索しているうちに、この日本シリーズが終わった後の落合監督のインタビューを見ることができた。ちなみに、江川卓が質問をしている。そこでは当然山井の交代に触れられていた。なぜ交代させたかの質問に対する答えは、私が考えたこととほぼ同じ内容のものだった。ペナントレースを、最後は岩瀬で締めくくるというプランに従って戦ってきた。あの場面でも同じように動いたという中身だった。ある意味、非常に単純な論理である。もちろん、そのプランで勝ち抜いてきたことがその論理の根拠であり、岩瀬でなかったら使えない理屈である。だから、この「事件」の最大のキーマンは岩瀬なのである。星野仙一は、私だったら山井に投げさせていたと語ったが、これは一つは星野氏が評論家の立場で語っているということと、岩瀬に対する思い入れが落合監督ほど強くないことに由来している。
 これに関連して落合監督から、もう一つ興味深い発言があった。江川から、川上憲伸が投げていたらどうしたかという質問に対する答えである。監督は即座に、川上だったら自分から代えてくれと言いますと返したのである。私はブログで憲伸だったら続投もあったかもしれないと書いたが、この発言からすればそういう判断はありえないことになる。要は、川上は監督の方針やチームの事情が分かる選手だと言いたかったのだろう。おそらくは、そこまでは考えられない山井とは違って。

 監督の主たる役割が観客を喜ばせることであれば、山井を投げさせ、パーフェクトの達成を目撃させるというサービスの提供に努めただろう。しかし、第一は勝つことである。しかも、中日はどうしても日本一になりたかったのである。これはチームの悲願であると同時に親会社の悲願でもあった。雇われた指揮官としては、もっとも大事な目標に向かって、自分の頭を最大限に使ったのである。その結果が、あの交代であった。

« 総合的に考える | トップページ | イチローと落合博満との対談 »

コメント

コメントを書く

コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。

(ウェブ上には掲載しません)

« 総合的に考える | トップページ | イチローと落合博満との対談 »