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2009年9月 6日 (日)

アメリカという国から日本の将来を見る

 これから世界がどうなっていくのか。誰も正確には見通すことができないが、おおよその流れはつかめる気がする。日本は高度成長によって経済的に先進国の仲間入りをして、一時は超優良国として君臨した。しかし、それは長くは続かず、バブル崩壊を経て凋落の傾向を強めている。

 アメリカを見ていると日本の将来が分かるという。確かに、政治的にも経済的にもアメリカの後を追っているのだから、結果として同じようになっていくのは理屈としても分かる。前にブログでも触れたが、岩波新書の「ルポ貧困大国アメリカ」(堤未果さん著)を読むとアメリカ社会の実態がよく分かる。公的な医療保険制度が脆弱なために医療費が高額になり、病気になっても市販の薬品でごまかしている状態で、まともに治療を受けられない。あまりに高額なので、日帰り出産が増加している。移民の暮らしは極貧状態で、違法移民の子どもがマクドナルドで時給2~3ドルで働かされている。大学生には奨学金をもらって卒業する人が多いが、就職先がなかったり給料が低すぎるため返済できない人が大量に出ている。軍が警備会社を下請けに使って戦争に参加させている。このようなことが書かれている。この様な実態は、たまに漏れ聞こえてくるが、ニュースなどでは全くと言ってよいほど報じられない。では日本はどうか。非正規雇用が増えて、この層での貧困はかなり深刻になってきている。健康保険証を持たない人が増加している。移民は受け入れるかどうか議論になっているが、実態として多くの外国人が入り込んで製造業やサービス業で安価な労働力として使われている。街を歩いていると、ときどき外国語の会話を耳にする。彼らは、言うまでもなく貧しい。大学生で、奨学金をもらわないと進学できない人が増えている。返済ができず、延滞するケースが増えている。さすがに、自衛隊が兵士を下請けでまかなっているという話は聞かないが、物資の運搬は運送会社を使っているのかもしれない。

 先進国の経済発展は停滞を免れない。先進国の生きる道は、先端の技術やシステムを他国に売りつけて富を吸い上げるしかない。BRICsが勢いよく経済発展を遂げ、GDPの差をどんどん詰めてきている。日本はもうすぐ中国に追い抜かれる。その勢いに乗っかって輸出をし、それで辛うじて稼いでいるというのが実態なのである。売るものがなくなったら、もはやお手上げである。だから、いいか悪いかは別にして、他国では真似のできない技術開発、システム開発を戦略的に進めることが必要だ。そういう面で、世界の国から頼りにされる国になって、それをベースにして各国と政治的な友好関係を築くことが必要だ。こう考えてくると、教育や研究に予算をつぎ込む必要が見えてくるではないか。

 アメリカの経済成長は金融危機があったにも関わらず日本よりは高い。アメリカにはヒスパニック系の移民が大量に流入している。彼らは安い労働力の供給源として機能している。もはや、海外に植民地は持てないが、国内になら合法的に持つことができる。まさに移民の植民地化ではなかろうか。そうやってアメリカは生き延びようとしているのだ。
 日本はどうするのだろうか。比較的平等で、教育レベルの高い中間層が存在し、技術先進国として世界に貢献し、政治的にも安定した国になる。移民も一定範囲で受け入れるが、低賃金の労働だけ押し付けるようなことはしない。こういう指針が必要ではなかろうか。

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