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2009年9月12日 (土)

素人経済教室

 土曜日の午後、素人による経済談義。素朴な疑問から始める経済の追求。これからどうなるのか。 

 佐藤 「先日会社の催しで、結構有名なエコノミストの話を聞いたんです。欧米の経済は今非常に厳しくて、これからしばらくは回復できないと言っていました。株価も今は少し上がってきましたが、秋以降また下がると見ていますね。この点は私の知っている証券マンも同じように言っています。」
 春木 「欧米の経済の悪化の原因は昨年からの金融危機ですね。」
 佐藤 「そうです。金融派生商品から発生した損失は少なく見積もっても600兆円あるらしい。正確には誰にも分からないようです。これだけの資産が喪失すれば、その処理に時間がかかるし、その間は経済はなかなか回復できないと考えられます。」
 春木 「日本のバブル崩壊で失われた資産は100兆円ぐらいでしょう。6倍か。実際はもっと大きいでしょうから。きついですね。」
 佐藤 「アメリカ政府は相当額の財政出動をしました。しかし焼け石に水の例え通りの状況らしい。自動車の買い替え需要を喚起して一定の成果はあったようですが、売れたのは日本車とドイツ車でしょう。これには当然批判が出ますよね。だから予算も打ち切りになったらしいです。他も同様で、新たに消費を生むようなお金の使い方がありません。」
 春木 「アメリカの労働者の生活悪化はひどいと聞きます。失業が聞いている以上に進んでいるようですが。」
 佐藤 「これも先ほどのエコノミストからの聞きかじりですが、就職を諦めてしまった人も含めた広い意味での失業率は17%もある。ローンが返済できずに持ち家を放棄した人が大量に出てきて、今中古市場に出ている住宅は350万戸もあるんです。フードスタンプを受給している人は昨年の初めに比べて1千万人増えて3千5百万人にも達するそうです。」
 春木 「そうすると、消費は凍りついてしまったわけで、景気の回復なんて夢みたいなものですね。今まではGDPの7割を個人消費が占めていた。しかもそれは住宅の値上がりを根拠にして前借をして消費していましたね。担保がなくなったら、もうすがるものがない。あとは、国にすがるしか・・・。」
 佐藤 「アメリカの需要が激減すると、日本の企業は痛手です。アメリカと中国が輸出相手として大きいですから。日本の経済における輸出企業の影響力は大きいです。」
 春木 「アメリカは財政収支が悪化しているから苦しい。とはいえ、金融機関や自動車メーカー、それから自治体も破産しかけているらしいので財政出動は続けざるをえないでしょう。そうすると国債を買ってもらわないと。国債の引き受け国は今は中国なんでしょう。日本も多いと聞きますが。しかし、買ってもらうためにはそれなりの金利を付けませんと・・・。」
 佐藤 「おっしゃるとおりです。金利で資金を誘導するしかありません。でも、これはジレンマを生みます。金利が高くなればいよいよ住宅市場や自動車の買い替えだって敬遠されますからね。また財政収支の悪化は、ドル安を生みます。日本は円高に動きます。」
 春木 「他国に国債を買い支えてもらって、ドルが安くなるということは、総体的にアメリカの国力が落ちることですね。前から言われていることですが。それを軍事力の増強で乗り切ろうとすると、さらに経済が悪化して墓穴を掘ることになりませんか。」
 佐藤 「それもおっしゃる通りでしょう。オバマさんも一番苦しいときに大統領になって大変だろうけれども、ブッシュじゃ根本にメスは入れられなかっただろうし、頑張ってほしいな。しかし、大胆な政策を打つにもお金がないんじゃどうしようもないね。」

 春木 「さて、日本はどうなりますか。」
 佐藤 「その前に。ヨーロッパもアメリカ同様に金融の破たんが進行して、実体経済の悪化がひどい。雇用の状況も厳しいです。そうなると民族間の摩擦が表に出て政治問題になってくる。経済の安定化は大変重要です。では、日本の状況ですが、サブプライムローン問題の影響は欧米に比べ、うんと小さかった。これは日本の銀行がグローバル化していなかったから救われた面があります。資金が潤沢にあるという意味では日本はまだ恵まれていますよ。しかし、輸出の回復が不十分で、勤労者の所得も減少して内需も弱いから悲観的にならざるをえない。思い切ってお金を動かせないのが現状です。」
 春木 「そうは言っても、手をこまぬいているわけにはいきません。グリーンニューディール政策が注目されていますね。政権も変わったことだし、思い切った政策転換がほしいです。」
 佐藤 「期待としてはあります。あまり詳しくはないのですが、温暖化を防ぐという観点からも、太陽光発電や風力発電、燃料電池の開発などを充実させる必要があります。これらに関連する産業基盤を充実させることで、投資を促進できるでしょう。技術的にイニシアティブを握れば、海外からの投資も見込めます。また新たな雇用が生まれるので、失業者の救済も可能になるし、若者にも希望を与えることができる。」
 春木 「そういった展望を政府がはっきり示すべきです。そうすれば、投資をして、しばらくは我慢して見守ろうという気持ちも出てくる。」
 佐藤 「それをどこまで期待できるかわかりません。しかし未知数だからやってみる価値はあるでしょう。」

 これで第一回目の素人経済教室を終わります。

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