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2009年8月 8日 (土)

高校野球 迫田監督の眼

 高校野球の監督の仕事は、選手たちの個々の力量を向上させつつ、組織としての力を育て上げ、戦えるチームを作り上げることである。また、実戦の指揮を執り、相手チームとの力関係の分析の上に立ち、試合の展開を読みながら戦術を展開し、自軍を勝利に導くことである。こう考えると、高校野球の監督も楽な仕事ではない。ましてや有力校の監督ともなれば周囲の期待が大きく、気の休まる時がないであろう。

 名の知れた監督は全国に何十人といるのだが、今日は迫田監督に触れたい。迫田さんは今年で70歳。広島商業の選手として夏の大会に優勝経験があり、監督としても同じく広島商業で優勝を遂げている。現在は如水館のチームを率いており、この夏にも甲子園出場を果たした。週刊朝日の記事によれば、、2006年に指導方針を変えたという。あの駒大苫小牧の練習を見た時が転機になったそうだ。コーチや監督はほとんど指示を出さず、ミスや問題点があれば選手同士が集まって話し合っていた。「こういうチームには勝てないと思った」という。選手たちに求めるのは、自分で考える力だと考えるようになったのである。

 力のある監督ほど、選手をコマのように動かし、自分の采配で勝利へ持っていきたくなる。それでも、選手に一定の力があれば、それなりの結果がでるのだが、想定した範囲を出るものではない。想像を超えるようなチーム力の拡大や試合での力の発揮は、個々の選手の自主的な模索による創造性によらなければならない。各チームがレベルを上げている今日においては、昔ながらの監督依存では通用しなくなっているのである。

 これは、企業における人材の活用と類似している。これだけ変化の激しい社会に対応するためには、トップダウンは必要だとしても、それだけでは間に合わなくなっている。現場現場での迅速な意思決定が必要だと考えられており、軍隊の組織論にまで取り入れられている。従業員が、あるいは兵隊が、自分で判断し行動し出したら著しく効率が上がり、成果につながるであろうことはかなり確かなことである。制度を変えるとともに、風土改革を行うことが多くの企業に求められている所以である。

 名将にして、方針の転換あり。いつでも自己変革を忘れぬ姿勢が、迫田さんの真の強さかもしれない。

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コメント

迫田監督は、やはりすごいですよね。Sakkoさんの指摘どうり、ベテラン監督になっても、もっといい指導法はないかと探し求める人はすごいと思います。

 あとは甲子園で結果を出すだけです。
やはり、夏の大会は、予選をずっと勝ち上がってきたチームばかりですから、どこでもそこそこ強いです。
 
 八千代東もよく頑張りました。普通の公立高校でもチャンスはあるということが証明されました。

 関学高等部も楽しみですね。何とか一つ勝ってもらいたいのですが、相手も強豪です。頑張れ!KG!

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