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2009年8月 2日 (日)

よい政治家とは? 主張の一貫性

 政治は本来、政策で戦われなければならない。国、地方を問わず、どのような政策を選択するかで今後の生活が大きく左右されるのである。(ちなみに政策で重要なのは、制度の設計と予算の配分である。)従って、政治家の人柄は、その人物を評価するにあたり大変重要な要素ではあるが、まず第一にはその人の掲げる政治理念と具体的な政策が、選択の基準とされなければならない。しかし、ここでは政策の優劣そのものを論じることはしない。それは保留して、その判断の前提となるであろう政治家の資質に触れることにしたい。

 私が思うに、最も重要な資質は、主張の首尾一貫性である。そして、その一貫性は、歴史観など彼が持つ価値観の確かさに由来するものであると考える。確かな軸を持たなければ、状況の変化や外部の圧力によって容易にぶれが生じてしまう。選挙前に言っていることと、選挙に勝利してからやっていることが違うのであれば、誰が嘘つきかを判定することが選挙の最も大きな焦点になってしまうではないか。残念なことに、これまで嘘つきが大勢いた。勝利した者は、約束を実行しなければならないし、権限を得たことによって実行できる基盤は手に入ったのである。それにも拘わらず出来ないとすれば、選挙目当てで有権者の前に人参をぶら下げたか、与党のまとまりに著しく欠けるかのどちらかである。

 政治の理念は、政治家になりたいという意欲の前に存在しなければならない。若いころから政治家になりたかったという人物はそもそも信用できない。政治家になることが目的ならば、次に来るのは近道探しである。今の社会に問題点を発見しそれを何とかして解決したいとか、こういう社会に変えていきたいとかいう意思が基本にあり、その手段として政治家になるという選択が生まれるべきなのである。世襲がよくないのは、はじめから議員になることが目的化されているからである。まさに本末転倒の典型である。

 小泉純一郎には確かに一貫性はあった。ただ、間違った内容の一貫性だったと思っている。内容の正誤は、最終的には選挙民が判断すべきであろう。さて、小泉は、構造改革なくして景気の回復はないと言い続けた。構造改革の中身について意見の分かれるところはあるが、とにかく民営化・規制緩和を徹底してやる。そのことで経済の効率化が進み、企業の業績が上がる。国の負荷も軽減され小さな政府ができる。企業の業績があがれば働く者の所得が増え、税収も増大する。こういうストーリーであった。しかし、結果は逆に出た。彼は、抵抗勢力があって思うように構造改革が進まなかったから今日の事態を招いたと言うだろうが、あまり説得力はない。

 政策の内容に逸れてしまったが、小泉には一貫性があった。それに続く安倍、福田、麻生にはそれはなかった。このなかでは、まだ安部がその良し悪しは別にして信念を持っていそうではあるが、周りが愚かだったのか貫き通すことができなかった。他の二人は言うに及ばずである。

 民主党が政権を取ると断定はできないが、取ったら次に厳しい目を向けられるのは民主党である。勝ったのであれば、マニフェストに従って政策を推進しなけばならない。また個々の政治家がそれとは違ったことを言いだし、やりだしたら、選挙の意味はなんだったのだろうかという疑問が出るだろう。個人的に言えば、民主党のマニフェストにはいい面もあるが、賛成できない面もあるので、政権が変わったからといって手放しでは喜べない。ここで言うのは、あくまで一つの要素としての政治家個人の資質の問題である。そのことだけとったら、鳩山より岡田の方がましとの判断も生まれるが、それだけで政治の善し悪しが決まるものではない。

 結論。言うことがコロコロ変わる政治家は信用することなかれ。言うこととやることが違う政治家は信頼することなかれ。

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