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2009年7月19日 (日)

丹羽宇一郎氏の発言

 最も注目する財界人として丹羽宇一郎氏を取り上げたい。経営者として立派な人、魅力のある人は他にもたくさんいるが、丹羽氏の発言には他とはやや異なった趣がある。それは、いわゆるたたき上げの経営者にはない、歴史観であり、視野の広さではないだろうか。もちろん、丹羽氏も伊藤忠一筋の商社マンであり、たたき上げに違いはないが、単に経験から学ぶだけではなく、社会科学も含めて数多くの書籍から学ぶことにより、社会のあるべき姿についての見識を備えていると思う。

 彼の発言がすべて正しいわけではない。現役の経営者として、その発言と行動が目の前の現実に制約を受けることがある。それは致し方ないことだろう。現実のポジションを超越した自由な発言は、引退しない限り、逆に空虚に響くことだろう。彼は雑誌等でたびたび発言しているが、日本の将来の展望を語る部分では、私の考えとかなりかぶる部分がある。それをメモから抜き出してみたので、ここに列挙したい。

 ①今後、日本企業の正念場となるのは、人の意識改革と新たな収益構造を創出することでしょう。

 ②こうした中間層が減り、低所得者層が増えていけば、今まで日本の技術を支えてきた力を削ぐことになります。

 ③二極分化が消費支出を縮小させていくことは想像に難くありません。

 正しく日本の行く末を見通しており、そこを踏まえた政策提言も行っている。ここでは予測の正しさに触れるにとどめたい。

 この他、人生観、人間観、労働観に関わる発言も多い。鵜呑みにはできないが、考えるに値する内容である。

 ①考えながら読書をしている人とそうでない人では明らかに違いが出てくる。読書をしないような人間は、これからの経営者にしてはいけない。

 ②私の解釈を言えば、神とは自分以外のすべてです。すべての人が自分を見ている。そう信じて一生懸命やっていくことで人間は強くなっていくものだと思います。

 ③人生というものは、自分で振り返るとゴミもホコリも見えないきれいな写真のようなものだけが残りがちです。しかし、本当は写真に写っていない薄汚い部分がたくさんあったはずなんです。生きていくことはそういうことだ。このゴミやホコリの話をしないと本当ではありません。

 

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