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2009年7月25日 (土)

対談 高校野球の魅力 

A:「夏の選手権の地方予選が戦われています。今や夏の国民的な行事とも言えるまでになった高校野球ですが、なぜここまで国民の関心を集めるのでしょうか。」

B:「そうですね。一言では言えませんね。いろんな要素があると思うな。まず、日本人は野球という競技そのものが好きなんだろうね。男だったら少なくともキャッチボールぐらいしたことがあるだろうし、ほとんどの人が草野球を経験している。だから親しみがあると同時に、いくらか知識があるからにわか評論家になれるんですよ。球場へ行って御覧なさい。ここは送ってくるだろうなとか、だめだよ釣り球に引っかかっちゃあ、とか大声出してるでしょう。だけど選手まで聞こえることはない。あれは、俺は野球には少しうるさいよというアピールだろうね。声に出さなくても、頭では皆解説しながら見てるんじゃないの。」

C:「それはあるね。だけど悪いことではないでしょう。少しは分かるから見に行くのです。フェンシングなんか見たって分からないでしょう。だから見に行かない。」

A:「分かりました。確かに競技人口は最大でしょう。高校だけだったらサッカーより少し多いぐらいだけど、草野球まで入れたらやはり、一番多い。」

C:「だから見に行くわけ。特に地方はそうでしょう。プロ野球も人気は高いけれども、せいぜいオープン戦しか見れないでしょう。生の試合となると高校野球でしょ。好きな人なんか練習試合でも見に行っちゃう。それからね、自分の知っている選手も出てるでしょう。応援したくなるよね。少年野球だって同じこと。」

A:「でも、それだったら他の競技でも同じではないですか。」

B:「いや、やっぱり野球は特別だな。注目度が違うよ。予選から報道される。新聞でも登録選手は全員名前が出るから。そんなスポーツないでしょう。地区の決勝戦はNHKで放送されるし。すごいことだと思う。」

C:「甲子園に出たらもうすごいよ。全試合、全国放送です。1試合で2時間半ほど時間をとるとしたら全部で120時間も放送される。オリンピックやワールドカップ並だね。NHKは高野連にいくら払っているの?」

A:「知りません。今度調べておきます。」

B:「注目されているから放送する。これは当然なんだけれど、主催の朝日新聞にしたらすごい商売に違いない。朝日が主催しているって知っている人多いよね。8月だけ朝日新聞を取る人もいるぐらいだし。予選からテレビに出しているのもテレビ朝日の系列でしょう。」

C:「大会を盛り上げるには、話題のチームや選手が欲しいだろう。ハンカチ王子だとかマー君だとか、すごい効果だ。若い女性や主婦なんかもキャーキャー言ってる。テレビや雑誌も取り上げて、商売のネタにしている。純粋に競技としても面白いけれど、話題性かな。」

A:「地方予選から注目選手を追いかけるのは、甲子園へ向けてのPRなのでしょうか。でも途中で負けてしまったらおしまいですね。」

C:「花巻東の左腕投手、名前は忘れたけど・・・。」

A:「菊池君です。」

C:「そうそう。彼がまた出てくるから注目だね、それからまだ分からないけど、横浜のスラッガーでいるよね。」

A:「筒香でしょう。」

C:「おまえ、なんでも知っているなー。ツツゴウっていうのか。難しい名前だなあ。」

A:「ツツゴウで、フツゴウありますか。」

C:「おやじだね。めっちゃおやじ。とにかく、そういう選手が出てきたら盛り上がるってこと。もっとなんかある。」

B:「雑誌に書かれてましたね。朝日は甲子園に皇太子夫妻を呼ぼうとしていると。これも宣伝の一つでしょう。それから、これは選抜の方だけど、本物の進学校が出てきたら話題性抜群だ。灘高校が21世紀枠で出てきたら、すごい視聴率になるんじゃないですか。これは彼らに頑張ってもらうしか手の打ちようがないけれど、秋季でベスト16に残ったら絶対出してくるはずだ。」

C:「そんなことまで考えているんだ。ところでBさん、話題を変えて、高校野球のプレーそのものの魅力はどうですか。」

B:「いろいろありますが、発展途上の面白さかな。まだまだ未熟だけど必死にやっているとこがいい。未熟だから、みんなで助け合わないと勝てないですから、チームワーク重視になるでしょう。」

C:「そうですね。それだけに監督の力も大きくなりますね。選手の調子や心理状態、それから監督の采配でどっちへ転ぶか分からない危うさが魅力ですか。でもね、それはあるけれども、未熟な選手の中に高校生とは思えない選手が出てくるでしょう。これも楽しみ。松阪はすごかったな。それからずいぶん昔だけれど、江川はすごかったわ。バッターでは清原だね。」

B:「チームでもすごいのがありました。清原桑田のPLが筆頭です。冗談で阪神よりも強いと言われました。それから箕島、横浜、智弁など。」

A:「普通のチームにも魅力はありますよ。そちらが高校野球的でしょう。勝ち上がっていくにつれてどんどん力が付いていくのが面白いと思います。佐賀北はその典型的なチームでした。」

C:「四番の子が早稲田に行ったらしいけど、他に目立つ選手はいなかったよ。どうして勝っていったのか説明がつかないね。簡単に言えば勢いなんだろうけど・・・。注目されるから相手もやりにくかったに違いない。勝っちゃまずいかなあという空気があったりして。そこまで行かなくても、見えない敵があるのは間違いない。」

A:「いろいろ意見をいっていただきましたが、自分なりに高校野球の良さを見つけていくことが大切ではないでしょうか。NHKや朝日の思惑もあるでしょうが、そんなことに惑わされず、高校野球の存在意義を考えていきたいですね。」

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