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2009年6月27日 (土)

愛読書

 よく雑誌などで有名人の愛読書が紹介されている。幾日か前にも雑誌「東洋経済」で財界人や学者たちの愛読書の記事を目にしたところだ。

 そこで自分の愛読書はなにかを考えてみた。その際に、まず愛読書の定義が引っ掛かった。自分なりに答えを出してみると、三つの要素が満たされる書であるとの結論に至った。「①内容に共感し、それが持続されている ②繰り返し読みたいという欲求が生まれる ③読もうと思えばすぐに手の届く場所に置かれている」の三つである。

 私の愛読書は、①「十五少年漂流記」(ジュール・ベルヌ) ②「阿Q正伝」(魯迅) ③「日本人とは何か」(加藤周一) ④「原因と結果の法則」(ジェームズ・アレン) ⑤「プロフェッショナル・マネジャー」(ハロルド・ジェニーン) ⑥「失敗の本質」(野中郁次郎ら) ⑦「ドイツ・イデオロギー」(カール・マルクス) ⑧「点と線」(松本清張) ⑨「思考の整理学」(外山滋比古)⑩「 未定 」 以上である。

 10大愛読書という形にまとめようと思ったが、10冊目が選びきれなかった。大塚久雄の「社会科学の方法」と丸山真男の「日本の思想」はかつて学んだ名著で、影響は受けたが、繰り返し読もうという欲求の点では不足であった。

 さて、9冊の愛読書であるが、比較的ありきたりというか、雑誌でもよく紹介されている本である。やや珍しいといえるのは、加藤周一の「日本人とはなにか」(講談社学術文庫)とマルクスの「ドイツ・イデオロギー」(岩波文庫)だろうか。前者は、戦後さほど日が経っていない時期に書かれた日本人論であり、これから日本の進む道をどうやって考えていけばよいのか熱く語っている。特に知識人のあり方については、非常に厳しい目で追及している。現在からも、帰るべき原点として読み返してみたい一冊である。後者は、歴史観、社会観の形成に大きな影響を受けている。本書は、断片的な文章の寄せ集めで、どのように構成するかが学問的な課題になるほど難しい書であるが、ところどころに歴史観の基礎になる見方が散らばっていて、その発見はまさに「目から鱗」である。

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