« Sさんの言動について | トップページ | 自己啓発本 »

2009年6月 6日 (土)

守備位置から

 何事にもセオリーというものがある。先ほど野球の守備位置について考えていたので、それを材料にしてみたい。どのチームも深い浅いの違いはあっても、ほぼ同じ角度に守っている。これは長い野球の歴史の中で、統計的にもっともアウトにする確率が高い、もしくは最も少ない塁打に抑える確率が高い位置に定まってきたのだと推測する。素人が野球をする場合でも、だいたいこの辺りで守るのだということが経験的に分かっている。しかし、結果は思い通りにはならない。投手と打者との力関係によって、統計的に出ているデータとは異なった方向に打球が飛んでいくからである。

 優秀な打者の打球は野手の間を抜けていく。野球の専門家ではないので詳しい技術論は分からないが、軸がしっかりしていて速いスイングができれば強い打球が飛ぶ。そうすると、統計的に見て例外的な結果へと導かれることになる。長嶋茂雄は天才的な打者で、スイングスピードの速さでは超一流だった。投球を読まずにボックスに立っていたと言われるが、それでも結果を残せたのはスピードのなせる技であろう。そういう長嶋も次第に体力が衰え、晩年は並みの選手になってしまった。打球が正面をつくようになり、ゲッツーの場面をしばしば見た記憶がある。

 これ以外にも野球にはいろんなセオリーがある。随分昔の話だが、高校野球の試合を見ていて気がついた。ランナーのいる場面で野手が投手に球を返す時に、一方のチームは投手の近くまで走って行って球を渡していたのに対し、他方のチームは離れたところから山なりで返球していた。その時は3塁に走者がいたので、投げ損ねて走者を返してしまうのではないかと心配した。野球に詳しい人にとっては当たり前のことだろうが、選手でさえ基本が身についていないこともあるのだと感じたのである。これ以外でも、深い守備位置で落球し、無理に一塁に送球し暴投になり、走者を2塁に進めるという場面を見たりすると、そういう場合は無理な送球をしないというのがセオリーなのかと思う。プロでさえそういう場面を目にするので、ミスをした時の精神状態では普通の判断ができないのだろう。

 確率を求めるならば、セオリー通りに事を運ぶのがよい。長期的に考える場合は特にそうである。奇策を用いて短期的な成果を上げても、長い目で見ればプラスにならないことがある。会社の経営であれば、理念をしっかり守って短期的な利益に目を奪われないことだ。野球の場合のように1対1の戦いではなく、ライバルはいるにしても、顧客に向かってどういう仕事をするのか考えるのが事業なので、よいと信じたことを愚鈍に進めるしかないのである。

« Sさんの言動について | トップページ | 自己啓発本 »

コメント

コメントを書く

コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。

(ウェブ上には掲載しません)

« Sさんの言動について | トップページ | 自己啓発本 »