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2009年5月24日 (日)

映画DVD鑑賞 「飛べ!フェニックス」

 23日の夕方、梅田へ買い物に出かけた。新型インフルエンザの影響でいつもの土曜に比べ明らかに人出は少なかった。マスクをしている人は一割から二割程度で、まばらという表現があたっている。用心深い人は外出を控えていて、気にしない人が繁華街に集まるからそういう割合になるのだろうと思った。平日の通勤時はもっと多くの割合になるだろう。

 ロフトで文房具を買った後、ヨドバシカメラでDVDソフトを購入した。買うのは専ら古い洋画である。廉価版が出ていて、買いやすい。新作だと4~5千円するし、邦画は古くても高い。黒澤映画や松本清張原作の映画は面白いが、やはり高価なので余裕のある時にしか手を出せない。

 今回は、20世紀フォックス社の①「飛べ!フェニックス」②「トラ・トラ・トラ!」ワーナーブラザーズ社の③「カッコーの巣の上で」の3本。①はテレビで見たことがあり、②は会社の同僚から借りて見たことがある。③はアカデミー賞受賞の名作だが、見たことがない作品である。

 さっそく、①の「飛べ!フェニックス」を見た。双発の輸送機がサハラ砂漠を飛行中に砂嵐に遭遇し、不時着する。救援を待つが、コースを外れているので望み薄である。歩いて脱出しようと試みるものが現れるが、数百キロの道のりを踏破することは不可能に近い。飲料水は10日分しかない。不凍液を蒸留しても4日分増えるだけである。一人二人と犠牲者が出始め、焦りがただよう。そんななか、ドイツ人の技師が、機体の一部を利用して単発の飛行機を組み立て脱出する案を提示する。救援を待つ時間に機体を調査して、理論的に可能であることを確かめ、設計図も書いていたのだった。最初は皆半信半疑だったが、他に道はないと覚悟して協力し始める。時折不協和音を発しながらも思いをぶつけあって最後はまとまって機体を完成させた。そして体力も気力を限界に迫ったところで飛行に成功し、17日ぶりに人が生活する場所にたどり着くことができたのである。

 印象に残った点を3点上げてみよう。まず、遭難者の一人である医者の言葉。希望を持つことによって、長く生き延びることができる。実際に思い通りの結果が得られるとは限らないが、そのことだけでもやってみる価値があると言った。非常に合理的な考えであると思う。ただじっと待っているだけでは衰弱死に至る時間を浪費するだけである。目標を持つことにより、気力が生まれ、集団に規律が生まれる。これは、遭難ものに必ず出てくる、生き延びるための鉄則である。危機的な状況で誇張されているが、通常の社会にあっても、組織が生き残っていくための欠かせない要素である。次に機長と技師との関係。機長は年長者であり、経験が豊富で、機長という立場からもリーダー的存在であることは間違いない。遭難したのは自分の責任という意識が強く、あれこれ指示を出している。それが時に技師との確執を生む。機体の組み立てにおいては技師の方が専門であり、機長も譲らなければならない。最後にそのことが分かる。置かれた状況によって、最善の選択は何かを考え、過去の成功事例や立場も捨て去る勇気が必要である。三つ目は、クライマックスの場面。ドイツ人は技師とはいっても、模型飛行機の設計を仕事にしていることが分かる。本人は隠していたのではないが、周りは本物の飛行機を作ってきたと思いこんでいる。それで、この計画は成功するはずがないと落胆してしまうのだが、それに対する技師の言葉が説得力を持っていた。すなわち、模型飛行機も飛ぶ原理は同じである。だから偽物であるというのは間違いである。「本物」は操縦士がいるので操作ができるが、模型飛行機は自分で飛ぶのだからなお難しい、というのだ。最後の部分は私には分からないが、確かに模型飛行機の設計も同じ理屈で考えるに違いない。エンジンの出力に対してどれだけの大きさの翼が必要になるかなどの計算は同じ根拠でなされるのであろう。科学に頼らざるをえない場合には、非合理な思い込みは排し、科学的な知見を優先すべきということだろう。

 

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