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2009年5月10日 (日)

性同一性障害のこと

 

性同一性障害(せいどういつせいしょうがい、Gender Identity Disorder,GID)とは、生物学的には完全に正常であり、しかも自分の肉体がどちらの性に所属しているかをはっきり認知していながら、その反面で、人格的には自分が別の性に属していると確信している状態(日本精神神経学会)を指す、病名あるいは障害名である。

しばしば簡潔に「の性と身体の性が食い違った状態」と記述される。症状の度合いは、自分の持つ外性器に非常な嫌悪感を持ち外科的処置を必要とする状態から、異性装を行うことで耐えられる状態まで様々である。

同性愛と混同されることがしばしばあるが、意味合いは全く異なる。(ウィキペディアより)

 最近この障害についての認知度が高まった。それは、タレントとして活動している椿姫彩菜の存在が大きい。「わたし、男子校出身です」という著書のなかで、自らの半生を記して性同一性障害への理解を促している。私は彼女が非常に可愛いので前からファンだったが、後から事情を知った次第である。知ったからと言って、特段気持が変わったこともない。かえって、応援したくなったといえる。世間ではまだ無理解な人が多く、シャンプーのCMに彼女が出ているのは吐き気がするなどとネットで言われている。元は男のくせに、という言い方もされており、やはり性同一性障害が十分理解されていないことがうかがえる。もともと女だったのである。人格においては女だったのに、違う姓の肉体が付いてきてしまったのである。

 昔から男性なのに女性っぽい人は存在した。その逆の例も然りである。そして、そのことに対する偏見は強く、いじめられたり差別されたりしてきた。前回、吉行淳之介について書いたが、彼はそういう障害を持つ人への理解が深い人であった。「男娼」と呼ばれる人たちとのつきあいもあって、障害のせいで普通の世界から弾き飛ばされたことへの同情心があり、赤線で働いていた人たちに精神薄弱の女性が多かったことなども含めて社会的「弱者」への愛情が作品に綴られている。男娼について書かれたエッセイでは、「生まれつき」という表現を使っており、生来の障害という認識を持っていたようだ。念のための断わっておくが、性同一性障害を持つ人が皆男娼になるのではない。なかにそういう道を選択せざるをえない人がいるということである。因みに、ウィキペディアも断っているように同性愛者とは違う。自分は男であるという自覚のある人が男を好きになるのは同性愛である。性同一性障害者の場合は、自分が女だと思っているのだから異性を好きになっているのである。ゲイは男であって、男の立場から男を求めるのである。

 科学の進歩は様々な迷信を打ち破ってきた。この問題にしても、変態だと言われたり、親の育て方が悪かったからだと言われたりしてきた。ハンセン病にも誤解があった。読字障害も最近まで分かっていなかった。分かっていれば辛い人生を歩まずに済んだかもしれない。神経症や精神障害に対する偏見ももっともっとその原因が解明されれば社会的な理解が進むだろう。研究の成果を期待したいと同時に、国民全般が科学的認識を深める努力をしなければならない。そういう意味でも教育の役割は大きい。

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