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2009年4月12日 (日)

文学の役割とは何か

 難しい文学論は分からない。素人考えかもしれないが、文学は読者のためのものであり、読んだ者を励まし成長させるものでなければならない。

 励まし方はいろいろあるだろう。生きる希望を与える、前向きで、人間に対する信頼感に溢れた作品もあるだろう。また、人間の、あるいは社会の現実を生々しく描く、時には邪悪な部分を見せつける厳しい作品もあるだろう。後者の場合は、感受性の強い読者を少なからず悩みの世界に突き落とすことになるのだが、そこから自らの力で這い上がることを期待して、どこかに希望の光が差し込む裂け目を仕掛けておかねばならない。

 文学は常に読み手を意識しなければならない。書きたいから書くという次元のものではない。確かに、作者自身が多くの解決困難な問題を抱えており、書くことで今の自分を表現しなければ生きていくことさえできないという境遇もあるだろう。しかし、作品として世に問うのであれば、自分の問題から離れて社会的な意味を帯びてくるのであるから、単なる独りよがりは許されないだろう。本来、文学には十分に練られた仕掛けと細工が必要である。それは読者には意識されない方が良い。批評家は別としても。知らず知らずに、読者が、考えるヒント、生きるヒントを掴んでいるように、文学はあらねばならない。

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