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2009年4月 4日 (土)

読書感想文

 息子が読書感想文の宿題に苦戦している。思い起こせば私も中学ぐらいまでは苦手だった。苦手だったのには当然理由がある。それを考えてみた。

 三つの理由を挙げてみる。まず、「読む」能力の有無である。何が書いてあるのか、まず意味を理解できなければならない。これは基礎的な能力である。行間にある作者の意図というような高次元の解釈ではない、言葉の意味の理解である。二つ目は少しレベルが上がって、自分の考えに従って解釈する力の有無である。体験や学習によって価値観とまでは言わなくても、自分なりの考え方が出来上がっているとすれば、それに照らして評価する、判断するという行為が生まれる。それが「感想」を創る能力である。三つ目は「書く」力の有無である。思ったことを表現できなければならない。これも基礎的な能力である。志賀直哉や川端康成のような立派な文章を書く能力ではなく、事実や自分の思いを誤りなく伝えられる程度の能力である。

 この三つのうち、「読み」「書き」については、まず訓練である。数をこなすのが大事。理屈を学んだからといって、できるようになるわけではない。一定のレベルに達すれば理屈を学ぶ意味が出てくる。解釈する力の養成には、これとは違った要素がある。もともと備わっている「感性」という要素もあるだろうが、これにしても育てられないと大きくはならない。解釈する力は人から教わる部分が大きい。個人的な問題に見えても実は社会的な背景があるのだとか、心の問題には宗教的な要素が切り離せないだとか、差別の問題は昔から存在していて誰の心の中にもあるのだとかいうことは、親や教師や、あるいはそういうことを論じている哲学者や文学者などから学ばなければ自然に生まれ出るものではない。

 息子はなかなか書き進まないのでアドバイスした。1枚目はあらすじを書け。2枚目以降はこういう観点で書けと、四つの要素を示した。漂流記だったので、①生きるために必要な、水や食糧を手に入れる方法を知っていたこと②悲観せず、生き延びるために必要なことを考え計画的に進めたこと③仲間の団結を重視して、リーダーが全体をまとめていったこと④将来を見越して、知識のあるものが教室を開いて教えたことである。教え過ぎかもしれないが、時間切れになりそうだったのでそうしてしまった。

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