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2008年10月18日 (土)

新聞記事の整理から

 今日は、新聞の切り抜きを整理した。5年ほど前から溜まっているものをチェックして、3分の1は破棄した。内容別にまとめていくと、日経の切り抜きが大半で経済関係が多いが、その他のジャンルも含めて、一時期に集中して特定のテーマについて集めているのが分かる。たとえば、2002年は小泉首相が拉致問題の解決に動き始め、北朝鮮との交渉を全国民が固唾をのんで見守ったのであるが、新聞紙上でも多くの論者がそれぞれの解釈を展開していた。そのなかに、毎日新聞の「時代の風」に連載していた作家の高樹のぶ子氏の見解が残っていた。読み返してみたが、大騒ぎしている世間からは距離をおき、冷静に自分の意見をまとめている。おそらく、他の文章の何倍もの時間をかけ、考え抜いて原稿を書いたのだろうと想像される。それほどデリケートな事件であった。

 氏の考え方は、この問題の解決を、日本をとりまくアジア地域の平和を実現する方向に向けて考えなくてはならないというものである。拉致被害者を取り返すための駆け引きの次元ではなく、道理を尽くした交渉を国際世論を背景にすすめる必要がある。本よりまともな国でないことは承知の上の話である。アジア地域における平和にとって、核とミサイルに関する情報が最も重要であり、そのことが話題にされなかったことは残念であるという主張だった。世間の大方が感情的な反応を示す中で、このような見解を掲載すること自体が勇気の要ることだ。しかし、大衆から距離を置かざるをえない知識人は、敢えて、広く、長い射程でとらえなくてはならない。大衆と一緒に行動しないことを非難する思想家もいるが、それはそもそも無理なことなのである。たとえ傍にいたとしても、考えることは違うのである。高樹氏の主張は知識人の領分を守っているのである。

 ところで、その後、高樹氏ははっきりしない理由で連載を中止した。どこからか大きな圧力を受けたのではなかろうか。

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